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オルタード・カーボン
【アスペクト】
リチャード・モーガン
定価 2,940円(税込)
2005/4
ISBN-4757211295
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
安藤 梢
評価:A
SFハードボイルド・ミステリ……。なんだそりゃ、と思ったが読んでみたら、まあその通りだった。27世紀、人が死なない時代がくる。精神をデータ化することで、肉体を入れ替えながら人は生き続けるのだ。なぜか羨ましいとは思えない。必死で生にしがみつく人間の不気味さだけが際立っている。人の死を何とも思わないような何百年も生きた人間が、自分の死に対しては異常に怯えている。そのエゴの塊のような生への執着は、おぞましいとしか言いようがない。じわじわと敵を追い詰めていく謎解きの部分よりも、アクションシーンの方に重きが置かれ、その残酷さは、読みながら思わず目を背けたくなる程である。
肉体が取り替え可能であるにも関わらず、人々は自分の肉体や、愛する者の肉体を守ろうとする。結局、目に見えるものに左右されてしまう人間の可笑しさが浮き彫りになっている。
磯部 智子
評価:A
いやはや27世紀は地獄絵図か。もちろんそれは不死をお金で買える時代をどう捉えるかにもよるが。人間の精神はデジタル化され、肉体が滅んでも新しい肉体にそのメモリー・スタックを付け替えれば永遠に生き続けられるという。持てる者は自分のクローンを何体も持ちスタックすらコピーを取っている。そんな大富豪の一人が自殺と断定された自分の死の真相を調査するよう甦った本人自らタケシに依頼する。170年の服役中だったタケシには恩赦や様々な条件が提示され早速その調査にのりだすが、大富豪の疑惑を裏付けるかのような妨害が…。とにかく面白く只ストーリーを追うだけでも充分楽しめる。でも同時に人間の根源に対する震撼するような問題も描かれる。死が究極の恐怖でないなら拷問がそれに代わる。肉体の死は終わりを意味せずスタックを新たな肉体に移し替えながら延々と拷問は続けられる。カトリックの考え方を利用して信徒をスナッフフィルムに使う人間もいる。肉体の売買もあり精神が別の体をまとう。300年以上生きた精神が30代の肉体の中にある時それはもう人間と呼べるのか?SFで暗黒小説、ハードボイルドでセンチメンタルなこの作品は非常に興味深く面白い。
三枝 貴代
評価:B
ミステリSF。このジャンルでは定番である、殺人あるいは自殺が無意味である世界におけるホワイダニット。
密室トリックかもと思わせる要素もあって、ハードボイルドとしてはなかなか読ませてくれます。孤独なアウトサイダーはあくまで格好良く、謎の女はどこまでも魅力的。文章もハードボイルドの伝統にのっとっていて、タイトで粋です。かっこいい。
しかしSFとしては、人格がデジタルデータに還元される社会において個人識別がいまだにDNA利用であったり、引退後まともな再就職先のない職業にすぐれたプロフェッショナルが集まったりするあたりの矛盾が、論理的でないと言えば論理的でないわけで、SFの人は嫌うのかもしれません。わたしはてっきり、その矛盾点が謎解きにかかわるのだろうと思い込んで、別の回答を想像し、みごとにだまされたのでした。
寺岡 理帆
評価:A
舞台は未来で小道具はSFだけれど、これはハードボイルドだ。
人間の精神がデジタル化できるようになり、肉体は死んでも内臓スタックさえ新たな肉体にダウンロードすれば人は死なずに住む世界。けれど実際にそんなことができるのは一部の特権階級のみ。結局人間の営みは、本質的には何も変わらない。
タフでクールなコヴァッチとともに、読者は危険をくぐり抜けながら謎を少しずつ解き明かしていく。物語の世界観は独創的なのに、ストーリーは懐かしい。ワクワクするけれど安心して読めるのよね…。
舞台も凝っていれば、伏線もあちこちにきっちりと張り巡らされている。まさに上質のエンターテイメント。SF好き、ミステリ好き、ハードボイルド好き、どなたもきっと満足できるはず。