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俺はどしゃぶり
【光文社文庫】
須藤靖貴
定価 660円(税込)
2005/4
ISBN-433473863X
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
浅井 博美
評価:D
小学6年生の時、大学時代にラグビーの選手だったという体育教師が担任だったことがある。本書を読みその時の何とも忌まわしい気持ちが久々によみがえってきた。生徒をあだ名で呼ぶことが親愛の証、自分は他の教師とは違い生徒の味方であると固く信じている、大したことないくせに自分の経験や苦労話を語りたがり、オレも昔は悪だったとか言いがちな先生…。もの凄いデジャビュにおそわれた気持ちになる。体育教師なんてみんな同じなのだろうか?本書はアメリカンフットボール部を新しく設立し、生徒を率いて一勝を目指す高校教師の物語だが、本当にそれだけだ。なんのひねりもない。デブの生徒にデブって言うあだ名を付けてしまうくらいなのだから。親愛を込めて生徒たちに付けた様々なあだ名も、彼らのキャラがたっていないからその役割を果たしていない様に感じる。誰が誰やら最後まで把握できなかった。私みたいにひねくれ者で、何をがんばって良いかもわからずに堂々巡りしていた学生時代を過ごした者には、この空気感はきっついのである。主人公の高校教師が女性に全くもてないという下りで、意地悪な笑みを浮かべることくらいにしか楽しみを見いだせなかった。
北嶋 美由紀
評価:A
軽快、爽快、軽妙洒脱なテンポよい文章に笑い付。
短編2作も収められているが、表題作が何といっても一番よい。私立高校でアメフト部を立ち上げ、試合に出られるようになるまでの約一年間を、主人公である教師の目を通して描かれている。この手の青春ドラマは、落ちこぼれの劣等生を集めて、自信を持たせて周囲を見返すのが大方のパターンだが、この高校の生徒達は進学校に入り、一流大学を目指すそこそこ頭の良いヤツ等だ。最初から自分達の役目を理解し、大きなトラブルもない。しかし、体も性格もけっこう個性的ではある。そんな部員達の良い面を捉え、ボロクソに言いつつもイヤミはなく、主人公の生徒を見る目はあたたかい。妙に熱血先生でないところもよし。飲み友達の同僚教師のキャラもおもしろい。生徒も教師もやたらデブが多いが。こんなによく食べる息子は持ちたくないと思った。おいしいビールが飲みたくなった。そして、「ゴキ塚」はヘタなホラー小説よりゾ〜っとさせてくれた。
久保田 泉
評価:B
今時珍しい、泥くさい題名だなあと思ったら、本当に泥まみれの話だった。高校教師の吾郎は、母校に赴任して国語の教師をするバリバリの体育会系男。その母校で、大学生活の全てを注いだアメリカンフットボールの同好会を立ち上げる。ユニークな生徒や教員達とのエピソードが楽しい。帯にある通り、汗と涙と笑いと友情。そのまんまです!つっこむ事も出来ないくらい、直球ストレートスポーツ青春小説。文体も半端な技巧が無いのがかえって清々しい。だから恋の話はなくてよかったと思う。吾郎が教員は怒られないから怖い、という謙虚な姿勢なのも好感が持てる。「ういっす!」という返事はトーンで使い分ける、勝負は自分への意地の強い方が勝つ、練習でもうだめだと思ったとき、ふと気持ちが前向きになる、などキラッと光る体育会系語録も多い。今時の子は先生にも友人にもあだ名はつけないとか。メンバーにつけられるコテコテのあだ名に郷愁の感がある。
林 あゆ美
評価:C
吾郎さんは高校の先生。母校に就任した折に、アメリカンフットボール同好会を設立しようと画策する。夏目漱石の『坊っちゃん』現代版よろしく、個性的な先生方にはあだ名がつけられ、吾郎さんは表題の「どしゃぶり」。「呑んだら最後、必ず大酒を食らう」ということでつけられた。(ちなみに、『坊っちゃん』は吾郎先生の愛読書で、いままで30回読み、これから100回は再読するんだと宣言している)。
青春に必須(?)のスポーツの汗、友情に先生の大酒、教師同士のオツキアイと、定番のアイテムいずれかだけを深くほりさげずに、それでいてバランスよく爽やかに描き読後感は悪くない。酒飲みの注文する肴はどれもおいしそうだし、ビールも日本酒もお相伴したくなる描写は好み。そしてそしてアメリカンフットボールに詳しくなくても、実況中継にはつりこまれて読んでしまう。ただあまりに爽やかな青春物語なので、時折、遠い目で読んでしまったのは年のせいか?!
手島 洋
評価:B
いきなり瑣末なことを書いて申し訳ないが、表紙のタイトルの間に「傑作青春小説」とあるのがおかしかった。これって、小説のジャンル? それとも宣伝? でもそんな図々しい言葉も許したくなるような、爽やかな体育会系青春小説だ。大学でアメフトに明け暮れた男が、高校の教師になりアメフト同好会の顧問となり奮闘する、というストーリー。これ以上ない、というくらい真っ正直に話は進むが、「ベアーズ」というチーム名通りの「がんばれベアーズ」ばりの奮闘振りが面白い。「空は買ったばかりのダンガリーシャツのように青やか」といった具合に比喩まで体育系。やたらに変なあだ名をつけたがるというのも、確かに体育会系のノリだ。細部までが実に体育会系。恐れ入りました。
こんな小説がもっとあってもいいと思う。日本の小説はスポーツがちゃんと登場するもので、傑作といえるものが少ない気がするのだ(漫画にはいいものが多いのに)。そして、こんな作品なら、「坊っちゃん」しか漱石を読まないような体育会系の人にも読んでもらえるに違いない。
山田 絵理
評価:A
汗臭くて男臭い青春ストーリーなのに、めちゃくちゃ爽快感を感じた。びっくりだ。 母校に赴任した国語教師の吾郎は、「母校の後輩たちにこの素晴らしいスポーツを通じて青春を謳歌させてやりたい」とアメフト同好会を創設した。メンバーとして集まってきたのは、体格のいい?否、かなり太っているやつからがり勉タイプまで実にユニーク。吾郎と彼らが有り余るエネルギーを燃やしてアメフトに打ち込むという、正統派青春物語が繰り広げられる。
吾郎のキャラがいい。純粋で不器用!アメフトばか。愛読書は『坊っちゃん』で良くも悪くもまっすぐな性格!女性の気持ちにとんとうとい。たとえモテてていたとしても本人が気づかないというタイプだ(推測)。
合い間にはさまれる吾郎のほろ苦い恋の話が、よき清涼剤となっている。吾郎の不器用さに、読んでいる側はほろりとしてしまうのだ。
スポーツ音痴の私にはアメフトの場面がよくわからなかったけれど、それでも十分楽しく読めてしまった。
吉田 崇
評価:C
何が嫌いって、青春って言う文字が嫌い。昔流行った青春学園ドラマなんて、小学生ぐらいの時分だと思うのだが、「こんな暑っ苦しい大人にはなりたくない」との感想を抱きつつ、見てました。で、この傑作青春小説(傑作っていうのも、結構ヤバいっしょ)、嫌な予感を見事にひっくり返して、面白いです。体育会系嫌いの方にもオススメ。
中編1編、短編2編の3本立て、表題作はストレートに笑わせてくれます。電車読み、注意。同じ主人公の大学時代を描いた『俺はキャプテン』は、個人的には暗くて好きじゃありません。が、『NG 胸を張れ』は総合的に一番良く出来た青春小説だと思います。大学生活の終わり、青春の終わりの頃を描いているので、逆に最も青春な感じがするのだとは何たる皮肉。青春は遠くに在りて思うものが正解。昔のTVドラマみたいに当事者同士が「青春、青春」と、口走ってるだけじゃ、そりゃ暑苦しいだけだわな、と妙に納得。