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百番目の男
【文春文庫】
ジャック・カーリィ
定価 810円(税込)
2005/4
ISBN-4167661969
北嶋 美由紀
評価:B
なかなかショッキングなオープニング。衝撃の結末。恋愛も壮絶で、本当に刑事小説かと疑いたくなる。
心理学研究者でもある主人公の刑事カーソンは処世術にうとく、正直の上にバカがつくほど。勇敢なのか、怖いもの知らずなのか、やたら責任感が強いのか、よくわからない男なのだが、権力をふるったりはしないし、やさしさは十分だ。カーソンの暗い過去もひとつの興味を添える。百番目の男というのは、予想外の者といった意味らしい。ラストは確かに意外性たっぷりで、最後まで真犯人の正体がわからないのはAなのだが、その不気味さと異常さが何ともいや〜な読後感を残してくれる。そのくらい描写がうまいということにもなるが。
少々読みづらさがある。たぶんそれは、比喩表現の難解さであり、過去の事件の経緯解説が後回しにされて、途中ではよくわからないまま話が進んでゆくためだろう。
しかし、ガムの代わりに新聞紙を噛むって、どんなだろう? これもひとつの精神病的症状なのか? これが一番気持ち悪かったかもしれない。
久保田 泉
評価:C
いわゆる、猟奇殺人が起きるサイコ・スリラーだ。舞台はアラバマ州、モビール。ある暑い夜に、公園で頭部を切断された死体が発見される。その死体には、犯人によって刻まれた暗号があった。謎を秘めた、暗い事件を担当するのが、主人公殺人課の刑事カーソン・ライダー。相棒は、ベテランのハリー・ノーチラス。一年前に、ある連続放火殺人を見事に解決して、異常心理事件を専門に扱う班に抜擢された、主人公のカーソンにもほの暗い過去があるようだ。読者は事件の謎とともに、カーソンの抱える過去の真相にも驚かなくてはならない。もうひとつの問題は、検死局に勤めるアヴァが抱えるアルコール依存症。カーソンは苦しむアヴァも放っておけず救いの手を差し伸べる。自身も大変なのに、カーソンは結構いいやつだ。ラストの殺人事件の謎が一気に解けていく描写は、映像にしたら迫力満点だろう。映画化進行中らしいが、私は見たくない。面白くない小説とは思わないが、何年振りに読んだろう?というくらいサイコが苦手なんです〜!!
林 あゆ美
評価:AA+
ワープト・ア・クォート・オブ・ホアーズ、ワープト、ホワーズ……ラッツ。ラッツ。これらの文字が何を言いたいのか――。
頭部切断事件が起きた。現場からは頭部は見つからず、死体には小さな文字が書き込まれていた。精神病理・社会病理捜査班に属している刑事、カーソン・ライダーはパートナーのハリーと共に、この頭部切断事件を解決しようとする。敵対する上司から数々の邪魔をされながらも、カーソンらは事件にくらいつき……。
事件にだけまっすぐ突き進むのではない。しがらみを持った大人が事件を捜査するのだ。そのしがらみは時に仕事にもからんできて、人ごとのような事件が知り合いに起きたことのように読めてしまう――会社で働いた経験があるならば、無能な(としか思えない)上司と働くつらさがよくわかる。しかし、そのダメ上司を含め、登場するどの人物もキャラが立っていて、存在感があり、強い印象を残す。特に精神医学施設に入院している男性、ジェレミーの存在感は圧倒的だ。彼のもつ闇が、この物語に深い陰影を与えている。すごくよかった。
吉田 崇
評価:C
本国では近いうちにシリーズ第2作も出るみたいな感じなので、非常に楽しみなこの作家、映画化についてはあまり期待はしないのだが、小説としてはかなりの出来。Who done it ? の面では案外簡単に想像出来たのだけれども、動機だとか方法だとかを考える楽しみが大きくて、巻末まで一気読み、間違いありません。
今回未消化な気もしますが、主人公の兄のキャラクター設定が秀逸。案外ユーモラスな雰囲気がする小説なのですが、多分彼が暴走し始めたら救いのない話になりそうで、そうすると実はこのシリーズの成功の鍵はこのジェレミーという登場人物次第なのかという気もします。うーん、最終話は兄弟対決?、などと余計なお世話で考えますが。
ところで、本当は異常殺人者の話って言うのには食傷気味で、幼児虐待に起因する性格異常って言うのも何だかなぁと言う感があり、現実世界でもそんな話がありふれているのに、たった一つ足りないのは、主人公格になりうるヒーローなんだと気付きました。あ、エンディングがないというのも、救われないですね。