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├2001年8月
├2001年7月
├2001年6月
└2001年5月
私という運命について
【角川書店】
白石一文
定価 1,680円(税込)
2005/4
ISBN-4048736078
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
朝山 実
評価:B
彼氏や彼女がいながら独身でいる女性が増えているんですよね。主人公は、男女雇用機会均等法が施行の年にある企業に入社。有能なキャリアウーマンというのがポイント。当時まだ女が仕事にかけるってことは、いまの時代みたいにシミュレーションも立たなきゃ、会社社会を歩んでいくガイドブックもなし。
徒手空拳で迷路を進んでいくようなもの。結婚も人事も人生ゲームも進路選択の通過ポイントっていうか。結婚に関して主人公はとにかく慎重になりすぎて、同僚の男とも土壇場になって結婚を断わった過去がある。理由はこれといったものじゃなく、なんとなくこの男でいいのかと思ってしまったから。数年して再会した彼は出世コースに乗っかった逞しい男に変貌していたから、心中は複雑です。頭で考え、恋に没頭できないヒロイン。直感を信じ結婚にまっしぐらな女性たちとの対比がうまいぐあいに、三叉路で立ち尽くしてしまうヒロインの姿を浮かびあがらせて、ついつい同情しちゃいます。ともかく波乗り的な昼メロ展開があってあきさせません。
安藤 梢
評価:AA
運命という言葉は大げさで何となく使いにくいものだが、この小説には合う。人間の力の及ばない、何か大きなものの力を感じるのである。そしてまさに木の葉のように人間は翻弄されてしまうのだ。あの人と別れなければ、あんなことが起こらなければ、どうなっていただろう。もっと別の人生があったのではないだろうか、とは誰しも考えてしまうものである。自分で選んできたように思えても、その選択に自信が持てないこともあるだろう。そんな時、運命という言葉に思い至る。
この本は、冬木亜紀という一人の女性の30歳から40歳への10年間の物語である。仕事の上でも女性としても、最もいい時期である。4通の手紙を転換点にし、亜紀の人生は大きく変わっていく。運命に弄ばれながらも、自分で選択していくことを諦めない強さに救われる。亜紀の細かい心の動きが丁寧に描かれており、素晴らしい。最後、思わず涙がこぼれたが、すがすがしい気持ちで胸がいっぱいになった。
磯部 智子
評価:D
29歳から40歳までの揺れる10年を描き上手くその時代を取り込んではいるのだが、男女雇用機会均等法を時代背景とした総合職の女性を主人公に据えたことが、古風な考えの作家にとってはどうなのかな?という一作。せっかく総合職で入社できたのに次に立ちはだかるのは結婚の壁。どうして男はあっさり都合の良い女を手に入れるのに女は都合の良い男がなかなか手に入れられないのか。君に尽くす為に生まれてきたと朝から味噌汁をつくり片足ずつストッキングを履かせてくれないのか。仕事に疲れ言葉が少なく不機嫌な時はじっと耐え優しい言葉をかけた途端顔を輝かせる、そんな男はどこかにいないのか。(それも又ウザイが)そんなジレンマを抱える女性たちにとってツッコミどころ満載。特にトンチンカンだと思うのが、男は男同士の競争を強いられるが、女は女同士で争うこともなければ、本来男とはライバルとなりえない、というくだりに作家の無理解、頑迷さが透けて見える。これが運命と言うならば…特にラストの「運命」の使い方に不快感を覚える。
小嶋 新一
評価:A
僕の人生って、何だろう。40年生きてきて、これからきっと30年ぐらいは生き続けるんだろう。会社生活もあと20年ある(はず、リストラされなければ!)。学校出て、就職して、結婚して、家も建てて、娘ができて、出世の望みは薄くなったけどボーナスもそれなりに貰えて……。40歳をむかえ、最近はついついそんなことで考えこんでしまう。
だから、この作品は僕の中にしみじみと染み込んでくる。人の運命とは、女性の幸せとは、ビジネスの一線に立つ人間の生き様とは……。IT系中堅企業に総合職として入社した亜紀は、29歳で元彼の結婚に立ち会い、新しい恋人と知り合い、仕事の第一線から外れ、難病に苦しむ義理の妹とふれあい、兄の再生に立ち会う。そうした人生の節目節目に「運命」が見え隠れする。その時々の亜紀の心の行方から、眼を離すことができなかった。
あれが面白かった、これが最高だったと言ったって、ああ本当に読んでよかったと思わせる本は、やっぱり一握りである。上手い!と思わせる書きっぷりも含め、この作品に出会えて本当によかった。心に突き刺さった。心がはげしく揺さぶられた。
三枝 貴代
評価:B-
冬木亜紀という女性の1993年から2005年までの物語。かつての恋人・康と後輩・亜里沙の結婚式の日、亜紀はかつて康の母からもらった手紙を初めて最後まで読んで、自分が康と結婚するべきだったことに気がついた。新たな恋にもやぶれ、長く独身を続けていた亜紀は、康が肺癌を患って離婚したことを知る。
主人公が自分の運命を知ろう知ろうとするばかりで、自分から運命をねじ曲げようとする意志を持たないことに、いらいらする人もいるかもしれません。しかし生きている以上はどうしようもない状況に巻き込まれることもあること、場合によれば流されざるをえないこと、主義や主張を曲げざるをえないことを、作家が充分に知っていることが、こちらにしっかり伝わってきます。きちんと社会でいきてきて、そのつどまじめに人生を選択してきた人の重い言葉で綴られた決意は、あたまでっかちな若者の安易な理想の数倍価値があるように思えるのです。
寺岡 理帆
評価:C
読んでいて連想したのは、一昔前の朝の連続テレビ小説。女性主人公が恋人と別れ、すれ違いを続け、別の男性とつき合ったりしたあげく最後には運命の人と結ばれる、しかし彼女には最後の試練が…みたいな。
女性の視点で物語が進むのだけれど、この主人公がなんとも男性の好きそうなタイプ。しっかりもので料理が上手、バリバリ仕事をする才能もあるけれど恋人が病気になったりすればそのキャリアをあっさりと投げ捨てて彼を支えることを決心。そして愛する人の子供を産んで命を脈々と次の世代へ繋げていくことがやっぱり女として生まれた最大の幸せ!みたいな…。
妙にあちこちに出てくる超常現象も、必然性がなんだかよくわからない。挙げ句の果てには最近起きたあの大きな出来事をラスト付近で持ってくるその意図も不明。いや、終章に入る頃には「もしかして…」とイヤな予感はしてたんだけれど(苦笑)。
個人的には「はあ、そうですか…」としか言えない、残念ながら。
福山 亜希
評価:A
亜紀は俗に言うキャリアウーマンだ。仕事が出来て自立していて、おまけに容姿も整っている。だだ、彼女はあまり幸せそうではない。怜悧な雰囲気があって、自分の人生まで、仕事を片付けるような冷静さで持って挑んでいるようなところがあるからだ。かつては自分にプロポーズをした昔の恋人の康が、会社の後輩と結婚することになっても亜紀は淡々としていた。だが、そんな亜紀も、康の母が、亜紀と康の結婚を強く希望していたことを知って、にわかに動揺し始める。康のプロポーズを、亜紀は確かに自分の意志で断ったつもりだったが、果たしてそれはどこまで揺るぎない意思だったのだろうかと。自分の意志をはるかに凌駕してしまう大きな力として、「運命」というものを意識し始めた彼女は、初めて自分の決断に不安を持ち始める。いくら自立していても、これは女性の抱えた宿命的な悩みなのだろうか。結婚や出産といった選択を、冷静に判断できる女性はいないのかもしれない。亜紀ほどの女性でも、長い時間に渡って苦悩しているのだ。
亜紀の人生の変遷を追いながら、私も自分の人生を振り返ってみると、確かに、人生は完全に支配下における程簡単なものではないと実感できる。運命という化け物に翻弄されながらも、自分らしく生きようとする亜紀の姿に、共鳴した。