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【新潮文庫】
古処誠二
定価 580円(税込)
2005/5
ISBN-4101182310
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
浅井 博美
評価:C
いじめ、大地震、密室殺人…。よくこの3つをうまく混ぜ合わせたものだ。暴力的でいやらしいいじめを繰り返す少年や、彼に従わざるを得ない臆病で卑怯な少年、彼らに反発する主人公の少年達、そして、少年達に迎合することで事なきを得ようとする上滑りな教師。少年特有の残酷さや潔癖さには説得力があり、まさに少年達が「生きている」というリアリティーにゾクゾクしてくる。しかし、著者は「女」という性や「少女」にあまり興味がないのだろうか? 主人公の少年2人とグループ交際をしている少女2人の書き分けがあまりできていないし、つきつめればどういうところに惹かれてつきあっているとか、そういった少女達の魅力が一切伝わってくることがない。それどころか、たまたま「女」だったばかりに、事件の駒として動かされているという印象しか抱けなかった。元「少女」としては、後味の悪い読後感を味わってしまった。
北嶋 美由紀
評価:A
再読だったので、最後のオドロキはもちろんなく、でも、初めて読んだらきっと……と思ってつけたAです。
前回も今回もストーリーのおもしろさより、ここに出てくる教師が不快でたまりませんでした。聖職なんて今や死語でしょうが、ここまで自分の立場を守ることのみにきゅうきゅうとされると物語とわかっていても腹が立ってきます。不良高校生の方がまだマシだとさえ思ってしまう。相良少年の青い正義感と正に対極。その中間にいるミニ大人の大塚も味があったりしますが。
古処誠二といえば「自衛隊もの」ミステリーと「第二次世界大戦末期もの」。私の知る限りでは一般的(?)設定なのは本書のみで、貴重な作品かも。
自衛隊基地や戦場は広い意味で限られた空間、いわゆるクローズドサークルであり、本書も内側から鍵のかかった部屋とか、雪や嵐で孤立した館ものではなく、大規模地震というスケールの大きな密室で、このへんが古処風でしょうか。
そして、この作品に含まれるものは、単なる殺人事件だけでなく、いじめ問題に代表される学校や教師のあり方であり、子供達の心を殺しているという意味では「学校」も一つの密室といえると、今回改めて感じました。
久保田 泉
評価:A
伊豆の高校生・相良優の親友の宮下敬太が石廊崎から転落して、死亡した。警察は自殺も考えに入れながら事故死としたが、優は親友の死に残虐な城戸の率いる不良グループが関わっていると、疑惑を抱く。敬太の葬儀の日、担任の塩澤の運転する車で式場に向かった優・城戸も含む6名の生徒は、その途中の地下駐車場でなんと大地震にみまわれ、閉じ込められてしまう。水も不足する中、暗闇で敵対するメンバーたち同士の切迫したやりとりが続く。そして、頭を割られた城戸の死体が見つかる。やがて、また一人…。デビューした年に書かれた作品だが、話の骨組みや伏線、文の流れ、全てに安定感があり、上手い作家だと感心した。生徒の内面への掘り下げが弱いのが残念だが、前半の行き詰まるミステリーとしての緊迫感、後半の謎解きを通した人間ドラマは共にテンポよく、面白く一気に読めた。個性的に光る才能を見出すメフィスト賞2000年受賞作家です。
林 あゆ美
評価:B
相良優は親友の死が自殺ではない、きっと誰かに殺されたのだと思っている。関係しているのは奴らだと。葬儀当日、その“奴ら”を含め担任らと共に式場に向かっている時、大地震が起こった……。
どうにもやりきれない話なのだが、リアリティを強く感じ、感じたからこそ読後は気持ちがざわざわした。学校という空間が閉鎖的なのかどうか、教師がどういうものなのか、生徒どうしのトラブルの大きさを誰がはかれるのだろうか。突然の地震により、相容れない人間同士が、狭い場所に閉じこめられ、明かりも乏しい中で、互いに追いつめていく描写は苦しい。苦しいからこそ考えた。学校というシステムの中で、「問題のない教室などあり得ない」というスタートから考えるということを。
謎解きや犯人捜しより、相良優らの心理描写に添って読んだのは、これから成長していく子どもたちが、私自身の身近にいるからだ。考えることはこれからも続く。
手島 洋
評価:A
地震を扱った作品、それも東海大地震が起こる話と知って、つまらないパニックものなのか、という不安がよぎったが、まったくの杞憂。読み出したら、一気に読んでしまった。
亡くなった同級生の葬儀に行くために集まった教師と生徒たちが地下駐車場で大地震のため閉じ込められてしまう。そして、全員から嫌われている生徒の死体が発見される。密室となった地下室から無事に脱出できるのか、というパニック小説でありながら、生徒が死んだのは事故なのか殺人なのかというミステリーの要素もたっぷり含まれている。犯人を見つけなければ次は自分が殺されるかもしれないという状況が更に緊迫感をあおる。その上、最初になくなった生徒の死をめぐる意外な真相の作り方も巧みなのだ。
事なかれ主義をひたすら通そうとする教師、親の権力を利用してやりたい放題のチンピラ高校生といった登場人物のキャラクターはちょっと類型的すぎるものの、ストーリーでぐいぐい引っ張っていきます。
山田 絵理
評価:C
一人の男子高校生が崖から海へと転落死した。担任教師が何人かのクラスメイトを自分の車に乗せ葬式に向かおうとするのだが、大地震が発生し、彼らは地下駐車場に閉じ込められてしまう。いつ助けがくるともわからない、暗闇の極限状態の中で、それぞれの思惑がじりじりと動き出す。ある者は亡くなった友の死の真相を暴こうとし、ある者は復讐を試み、それをほくそ笑みながら見つめる者がいる。そして誰からも憎まれていた城戸が殺される。
真実が明らかになるにつれて、驚きというよりもやるせない思いでいっぱいになった。それは残酷な事件を見聞きした時に感じる思いと同じだ。あきらめにも絶望感にも似た気持ちが、思考を止めてしまう。
フラグメントの意味を調べてみたら、「破片・かけら、未完成の、ばらばらになる」などの意味があった。著者の意図は読んでもわからなかったけれど、最悪の状況に追い込まれてしまった高校生達それぞれが、自らの力で何とかしようと独り挑む姿は、鋭く尖った破片のようだった。
吉田 崇
評価:C
(1)親友の死、(2)大地震により崩落した地下駐車場での事件、(3)救出された後に行われる真相の解明、中心になる人物、相良優が物語内で生きる時間はこんな感じに設定されている。ストーリーのメインになるのは(2)で、密閉された闇の中という設定自体は目新しくないにしても、最近多い大震災を利用してリアリティを上げている。そう意味で、優が一番生き生きしているのが駐車場の中の時間、外に出た後は担任の教師だとか新聞記者だとかの方がくっきりとしてしまい、優は大きな力に流される少年としてしか機能しなくなる。感情移入しすぎたせいだろうが、それがもどかしくてこの評価。
謎解きとしては、一番悪い奴が直感的に判るのだけれども、読み手の僕も優もそれを根拠立てて説明する事が出来ない。だから、鳶があぶらげさらわれたみたいな感覚が読み終わった後にわき起こる。がんばれ、高校生。親父連中に負けるな、という読み方は不適切か?
良く考えられた構成、だらっと読んでると騙されます。
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