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宇宙戦争 [ 新訳決定版 ]
【創元SF文庫】
H・G・ウェルズ
中村融 訳
定価 580円(税込)
2005/4
ISBN-448860708X
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
浅井 博美
評価:D
全く恐怖を感じない。宇宙人が襲撃してくる恐ろしい小説のはずなのに致命的ではなかろうか。怖いと言うより眠かった。しつこいが、ずーっと眠かった。なぜって、逃げているだけなのだもの、この小説。最初に火星人が出現して、どんな風貌もわかって、理由は最後までわからずじまいだけれどどうやら地球人と仲良くしたくないらしく、そのため人間を殺りくしまくっている。だから人間達は逃げなければ。これだけだ。なんの謎解きも、新しい発見もほとんどない。うねうねした気持ち悪いタコ状の火星人が追ってきて、「そのとき、わたしの踵に触手が触れた。」って言われても、恐怖感が伝わってこない。逃げまどう人間達が何千何万と殺されても、その人間達が主人公とはほとんど無関係の人達なものだから悲壮感が感じられないのだ。殺されていく人々に人格を持たせなかったら、怖さも悲しさも感じなくて当たり前だろう。さらに文中に漂う説教臭さも鼻につく。「この戦争はー地球人の支配に苦しみつづけてきたネズミたちに対する同情心だけは教えてくれた。」だからって人間も火星人に殺されて良いという理由にはならないだろうよ。
北嶋 美由紀
評価:B
欧米の探査機が次々と火星に到達して、高等生物の存在はありえないと知っていても本書をバカバカしいと思って読んでは身もふたもない。100年も前に書かれたことに注目すべきだろう。
世界中の人の脳みそに「透明人間」や「タイムマシン」への憧れ、宇宙人侵略の恐怖をインプットしたのは、H.G.ウェルズであろうし、「宇宙人=火星人=クラゲやタコのような姿」のイメージを強く植えつけた発信元だ。
理論的には首をかしげるところもあるが、現代人が読んでもおもしろい(いろいろな意味で、だが)と思える小説を発表当時の読者はどんなにか夢中になり、感化されたことだろう。全く未知で、自分達より優れた技術を持つ侵略者への恐怖や混乱。しかも火星人の目的は植民地支配とは異なり、本当に食い尽くすためだとは何ともおぞましい。その中で繰り広げられる極限状態に置かれた人間の姿を、主人公とその弟の二通りの目を通して描かれている。すべてウェルズの創作だが、決して100年前の人間が考え出した荒唐無稽な話とは思えない。今でもそれほど違和感のない火星人の兵器もある。そして、この事件の終結の仕方もけっこう納得できてしまう
ちなみにウェルズは英国人であり、この作品の舞台もイギリス。
トム=クルーズ主演の映画とはだいぶ違う、と思う。
久保田 泉
評価:B
現在公開されている、スピルバーグの映画の原作だ。作品が発表された1898年以来、さまざまなクリエイターの想像力を刺激してきた小説だ。ウェルズを読むたびに感じるのは、人間の正しい想像力の使い道だ。物を産み出す際立った才能を持つ人間は、持て余して良からぬ事に使うくらいなら小説を書いてみて欲しい。
ある晩、人々は最初の流れ星を見た。しかし、それはただの流星ではなかった。落下した巨大な円筒から現れたのは、世にもおぞましい姿をした、火星人だった。ほどなくして火星人の容赦ない地球人の殺戮が始まった。強烈な熱を持つ不可視光線で、火星人は静かに素早く大量に地球人を虐殺するのだから、そら恐ろしい。人間が想像した未来は必ず人間が実現してしまうのかと、ウェルズを読むと唸ってしまう。訳者の解説によると、ウェルズの火星人は、実は地球人の未来の姿だそうだ。311Pにウェルズの書いたお宝火星人があるのだが、これだけは実現してほしくない!とのけぞりました。
林 あゆ美
評価:B
ガス状の大爆発が観測された火星、それから6年後のある晩、人々は流星を目撃する。巨大な隕石と思われた物体から、火星人が現れ、地球侵略がはじまる。
100年以上前に刊行されたSFの古典。今年、その古典を原作に映画が公開され、新訳版が複数刊行されている。本作もその1冊。古典とはいえ、私にとっては、初めて読む作品。時を経てなお愛読される物語を読むのは非常に楽しみだった。読後はベタな感想だが、すごい! コミュニケーションをはからない火星人との戦いは地球人である「わたし」側の語りでのみ描写され、一方からのみ見える戦争はひたすら不気味にうつる。まるで現代に起きている戦争を見ているかのように、都市が侵攻されていく様はリアリティたっぷり。ウェルズはこの作品を、情報が世界に瞬時に流れる今とは違う、第一次世界大戦以前に書いていることにあらためて驚いてしまう。映画も見に行かねば。
手島 洋
評価:A
今更「宇宙戦争」? インパクトないだろ。なんて思っていた私が莫迦でした。今読んでも十分面白い。まず、翻訳がすばらしい。ウエルズの古い文体の魅力を生かしながらも、今の時代の読者が苦痛を感じず読める見事な文章。SFって訳者が大事だなあ、と改めて思いました。某SF映画が某翻訳者の字幕のせいで、めちゃくちゃな作品になったなんて話を聞くだけに。
SFの古典として有名な作品ですが、SFに興味のないひとにこそ読んでほしい。この話の魅力は侵略してくる火星人と地球人の戦いではなく、異常な状況に追い込まれたときの人間の心理と行動、非日常の異常な状況とごく日常的な光景のシュールな出会いだと思ったからです。
特に、森の中で火星人が人を殺しているのに、その話を信用せず、少しはなれただけの町でごく日常的な生活をおくっているというのには笑ってしまった。主人公の奥さん、夕飯食べながら「お気の毒なオグルヴィー!」なんて言ってる場合か、だんなの話を信用するなら、なぜ逃げない!
これだけ、原作がおもしろいと、ちょっと映画は怖くて見られない。予告編みたとき「トレマーズ」かと思った。
山田 絵理
評価:A
映画の宣伝に影響されてか、ハリウッド映画がいかにも好みそうな愛と正義に満ちたストーリーなのだろうと思っていたら、誤解だった。地球を火星人が侵略する話なのだが、文中のいたるところに作者の教養の奥深さや自然・人間社会を見つめる眼差しの鋭さが感じられる。人間と火星人の関係を、人間と滅び行く野生動物との関係になぞらえて、あくまでも客観的に冷静に分析する箇所や、自然の摂理として考えれば当然でありうるラストなど。最初から火星人を悪と決め付けていないし、決して人間万歳!イギリス万歳!という立場も取らない。これが100年前に書かれたSFだとは本当に驚きだ。
切迫した状況に置かれた人間がどんな行動を取るか、その描写が見事である。特に火星人の基地の目と鼻の先の、崩れた民家に閉じ込められた主人公と副牧師が、食物をめぐって争う場面などの描写が秀逸。
頭が馬鹿でかくて手足がたこのようにひょろひょろ長い火星人を作り上げた空想力にもびっくりだが、著者の深い洞察力にただただ感じ入ってしまった。
吉田 崇
評価:C
わーい、SFだーいという事で読み終えた本作品、今回はハヤカワ文庫版と読み比べる事も出来たので、今、僕の頭の中には火星人が増殖中。「ウラー、ウラー」と耳鳴りがする。
あまりにも有名なお話、じき映画もやるみたいなのでストーリー的な事はおいといて、初出が1898年というとこにまず、びっくり。どうしてこんな時代にこんな話が思いつくのかは、創元文庫版の解説を参照ください。同時代の他の作家の作品についてはハヤカワ文庫版を、いやぁ、こんなに他人のふんどしで相撲を取って良いのかな、この書評。と、反省するふりしながら、横田順彌の「火星人類の逆襲」も面白いですよ、などと煙に巻く。
ハヤカワ版にあるアーサー・C・クラークの序文を借りて言えば、「神経症ぎみのエゴをいやが上にも精密に分析したがる文学作品に嫌気がさしたとき」、「変わり映えのしない三角関係や道ならぬ恋ばかりの通俗小説に飽きたとき」、僕はやっぱりSFを読みたくなる。
とは言え、評価はC。火星人よりも逃げまどう人間達の方が、本当は薄気味悪く描かれている事に気付いてしまったから。だって、それじゃあ、希望がないじゃん。
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