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マラケシュ心中
【集英社文庫】
中山可穂
定価 650円(税込)
2005/5
ISBN-4062750910
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
浅井 博美
評価:C
狂おしくて激しくて切ない、最近主流の低体温系小説とは正反対の熱い熱い恋愛小説である。ただし女同士の。同性愛小説だと言うことで拒否感を覚える人には正直きついかもしれない。例えば江國香織の「きらきらひかる」はゲイの男性の恋愛を描いてはいたけれど、彼女の独特の空気感でボーイズラブものだということさえ忘れてしまうほどだった。しかし本書はとびきり濃密な同性愛本だということを覚悟しなければならない。わたしはそのことに対しての嫌悪感は全く抱かなかった。それよりもなによりも著者の「センス」と相容れないのだ。自分を「絢彦」と名乗るレズの女流歌人だとか、彼女が詠むこんな歌だとか…。「教会に光りあまねくさんざめく神よあなたは貞淑ですか」むずむずしちゃうのである。むせかえるほど嫌いなかおりの香水を、鼻の前に突きつけられてかがされたような不愉快さが残った。しかし、つまらないわけではないし、ここまで暑苦しい恋愛小説にはなかなかお目にかかれないので、どっぷりと濃ゆい世界につかりたい人には、ぜひぜひおすすめである。
北嶋 美由紀
評価:B
「愛は極めねばなりません。」黄色い帯のこのフレーズに思わずひいてしまった。
中山作品初挑戦。腰がひけた状態でとにかく読み始める。イライラしどおしの恋愛ものかと思いきや、けっこうスピード感ありの展開。孤独感をもてあます歌人・絢彦と、恩師の若妻・泉との男女の恋よりずっと濃い女性間の恋愛物語である。すべてのことに男性的でありながら、とことん泉を傷つけまいとする絢彦。内に激しさを秘めながらも夫ある身の倫理を貫こうとする泉。二人の感情のぶつかり合いは同性であるぶん強く、情熱的だ。
予想外(私にとっては)の心中へと向かってゆくのだが、男女のドロドロ情念よりは不快感なしに読めた。果たしてハッピーエンドと言えるのか、マオちゃんはどうなってしまったのか、気になるところだが、とにかく桃田くんは最高!だった。私が男なら彼のような人とぜひめぐり逢いたいと思う。保養所にしか連れて行ってくれなくてもいいから。
久保田 泉
評価:A
出た、全身恋愛小説家!体力の無い時に読むと、具合が悪くなるのでご注意。帯のセリフが強烈。“愛は、極めねばなりません。極めたら、死なねばなりません。”そういう話です。物語は、歌人の緒川絢彦(寺西絢子)と、絢彦の恩師の妻、小川泉の命がけの三角関係の恋愛小説だ。三角関係といっても、絢彦と泉の濃密で痛々しいくらいの、女が女を愛する恋愛が全篇に綴られる。初読の時は、女同士でも、男同士でも、男女の恋愛でも何ほどの違いがあるのかと思ったが、この話は女同士で成り立つと、初めて気付いた。子供を産める性をもちながら、出来ないセクシャリティに生まれついた絢彦と、去勢した宦官に憧れていたような泉だからこそ、産めるのに産み出せない愛の成就には心中しかないと思うのだと、腑におちた。読了後、絢彦と泉の過去と未来で頭が一杯になる。中山氏の野望は、江戸の心中ブームを今の日本に再現したいのだとか。…頑張って下さい。
林 あゆ美
評価:C
「全身恋愛小説家」を自負する作家が書いた愛の究極物語、濃密な関係で紡がれた恋愛小説――。
人生のステージで恋愛のプライオリティが高いのはいつだろう。いつという期間のものではなく、人生そのものが恋愛とイコールになることをよしとする人でないと、この物語に気持ちはついていかない。高い位置での愛情を続けることは無限ではなく有限だ。だからこそ、行き着く先はタイトルにあるように心中になってしまう。
歌会で知り合い、心をわしづかみにされた相手は、同性であり恩師の妻。人を愛するというのは、それだけでも濃い感情に翻弄されるが、この物語はその感情が常にあふれかえっている。主人公に心ひかれる人は、重たいほどの愛情をもち翻弄される。読み手にも体力気力が必要な小説。
山田 絵理
評価:B
愛する人への想いが生々しく、きりきりと胸に伝わってくるような小説である。
緒川絢彦(実は女性)は愛する女性の体の上で歌を詠み、性の悦びを歌い上げることで生の悦びを歌い上げてきた歌人。所属する結社の歌会で出会った一人の女性、泉に身も心も奪われてしまう。だが、彼女は恩師の奥様。身を切られるような思いを抱きながら、「恋がいつか終わるものなら私たちは恋人同士になるのはやめましょう」という泉の提案を受け入れる。
熱っぽさを孕んだ抱き合うシーン、絢彦の情熱のほとばしり、そして太陽の照りつける乾燥したモロッコの、ざわめきや喧騒に満ちた街の描写にはくらくらしてしまう。生ぬるい空気が肌にまとわりつくような感触だ。
絢彦を慕っていたマオのその後が書かれていないなど、未完成な小説だとは思う。(あとがきで著者は弁明していたけれど)。でもこんなふうに思いがぐさぐさ胸に突き刺さり、どろどろしている話は嫌いじゃない、むしろ好きなのだ。
吉田 崇
評価:D
うーん、評価は低いです、これ。
帯の背には「究極の恋愛小説」とあるのですが、何を持って究極なのかが、僕には結局理解できませんでした。大体、恋愛なんてものは当事者以外の人間とっては「ま、せいぜい好き勝手にやってくれよ」ぐらいの非常にはた迷惑なものという認識が僕にはあって、究極の恋愛とは究極のはた迷惑、おお、何だその通りのお話じゃん、と、一人納得する始末。
今までタブー視されてきた恋愛、同性愛だとか若年者への愛だとか近親者への愛だとかが、ありふれてきて、社会通念的にも少しずつ黙認されつつある今日この頃、ま、どんどんストーリーは過激になっていくだろうし、くそまじめな異性愛にしがみついてる僕なんかからすれば、まるで未知との遭遇めいた恋愛世界というのも開けてくるのだろうが、それはあくまで現実世界のものにとどめて、小説としては、読み手に共感できうる世界観を、あるいは共感させようという小説技巧上の努力を、提供して欲しい。恋愛小説にジャンル分けされた小説に表現される恋愛ほど嘘っぽく感じるのは僕だけだろうか?
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