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くうねるところすむところ
【文藝春秋】
平安寿子
定価 1,750円(税込)
2005/5
ISBN-4163239901
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
朝山 実
評価:B
偶然出会った鳶の親方(ちょいイケメン?)に、ほわーんとなってしまった30女が、職場の上司で愛人でもある男に三行半を叩きつけ、ほわーんの勢いのまま転職してしまう。どこへ? そこはガテンな建築現場。リストラに失敗し、人手難であたふたしている小さな工務店が舞台。素人ながら現場監督までまかされてしまい右往左往しつつも張り切るヒロイン。でも、肝心のイケメン親方は彼女に何の反応も示さない。ヒロインの目線で追っていくなら仕事を通じた今風の成長小説です。家が建つまでの様子はよく描けているし、脇役も豊富。でもなぁ、なんかなぁ……。仕事に熱中するものの頭ん中は彼のことでいっぱい。9時台のガテン系ラブコメのテレビ向きっていうか。内面描写のノリの軽さに、なんか違和感を抱いてしまう。すいすい読めるが、いまいち腹に物足りない。一点気になったのは、人と関わるのが不得手な現場監督の山本くん。ダメ男くんです。が、一方的に切り捨てるのではなく、山本くんの別の一面をすくいあげているのが小説としてよかった。
安藤 梢
評価:A
面白い。テンポのいい会話にぐいぐいと引き込まれる。ストーリー自体の流れに勢いがあって読みやすい。30歳にして会社を辞め土建屋の世界に足を踏み入れた梨央と、45歳で離婚をし家業を継ぐことになった郷子(渾名は姫)と、二人の女性の視点から建築業界を描くどたばたコメディである。どちらも素人ながら、なりふり構わず奮闘する姿が勇ましい。後に引けないところまで追い詰められた人というのは、こういう強い力を発揮するのか、と妙に納得してしまう。家を建てる過程での様々なドラマは、知らなかっただけにとても新鮮だった。出来上がるまでの様々なトラブルを、工務店側がどう解決させていくかというのが、この話の見所である。家をまるで生き物のように扱い、大切に建てていく過程がいい。女たちが、土建屋という男の世界に入り、それぞれの力を発揮させていくところが、読んでいて実に爽快である。
磯部 智子
評価:AA
面白い!!爆笑して元気になれる作品。登場人物にここまで共感できることはそうそうない。みんなとにかくタフである。負けるな、梨央!頑張れ、梨央!と声をかけたくなるが「そう言うおまえはどうなんだ」と問い返されそうな、そんな梨央30歳が主人公。そしてもうひとりの主人公は「姫」こと郷子45歳。二人は其々のっぴきならない事情から土建屋の世界に飛び込んでくるのだが…。梨央は先の見えない不倫と求人誌の副編集長の職を捨て、一目ぼれしたとび職の男を追いかける。そして再就職した先は…郷子が浮気した亭主を追い出した挙句、専業主婦から嫌々ながら父が創業した工務店の社長に就任したばかりの会社。ふたりとも素人の見切り発車、無謀である…。それでも「一人の人間が一生をかけて手に入れるもの」である家を建てる仕事、半端な気持ちじゃ務まらない。抜群の人物造形、テンポの良い会話、自分や相手にツッコミを入れるシニカルな視点。30歳(45歳)から悪戦苦闘する人生のオン・ザ・ジョブ・トレーニング。諦めてはいけない、なんでもありです人生は。平作品は抜群のユーモア感覚で、本家アン・タイラーにも遜色ありません。
小嶋 新一
評価:B
冒頭、主人公の梨央が、酔いに任せて登ってしまう工事中の足場の上には、風が流れている。梨央はその風にあたり、冷たさ、心地よさを感じる。そして、物語の最後でも。僕にはこの「風」がなぜか印象に残った。高みに登ってみようよ、そしたら下界では気づかないさわやかな風が吹いているんだよ、と語りかけられ、励まされるような気になった。
浮気した亭主に離婚を突きつけたせいで、突如工務店を切り盛りすることとなった女社長。行きがかり上30歳にして土建業に飛び込んだ元アルバイト求人誌編集者・梨央。二人のど素人が、行き当たりばったり、あっち行ったりこっち行ったり、悪戦苦闘の末、なんとか前を目指して進んでいく。
物語に登場する工務店は廃業寸前、吸収合併寸前だが、実際こんな経営じゃあ倒産しないほうがおかしいよな。これで会社が回るかと思えば、僕はたいそう羨ましいが、そんな都合のよすぎるストーリー展開もご愛嬌と思わせられるのは、やっぱり素直に面白いから。すがすがしくって、さわやかで、ポジティブな元気をくれる小説だ。さあ、明日も前を向いてがんばろうって。
三枝 貴代
評価:AA
おもしろいです。最高!
登場人物が、みんなみんな(ダメダメくんまで含めて)キャラが立っていて魅力的です。特に主役の二人の女の子(三十歳と四十五歳だけど)がやんちゃでチャーミングです。どちらも、うわーっと突っ走るタイプなのに、反省するとちゃんと改めるし、臆病だけど、いざとなったらいなおって戦うこともできます。よく、少年の心を失わない男、などという言葉がありますが、彼女たちは、少女の心を失わない女です。みずみずしく、いきおいがあって、キラキラしています。
ストーリーはテンポ良く、状況が大変な時もどこか明るくて、笑えて、少しも飽きずにどんどん読めます。
それに、書かれている工務店の仕事内容が、どれも始めて聞くことで、とっても新鮮です。わたしも自宅の建設に二度、仕事場の建設に二度立ち合っていますが、知らないことばかりでした。それでいて、家を建てるということは誰にとっても切実な問題だから、どの知識もとっても役立ちそうに思えます。笑っているうちに賢くなった気分のする、お得な1冊です。
寺岡 理帆
評価:B
いやー、何というか、小説全体からパワフルなオーラが。こちらもそれにつられて一気読み。女はやっぱり度胸です(笑)。なんだか角田光代『対岸の彼女』がよく引き合いに出されているようだけれど、共通点は会社で働き始めた女性とその会社の女社長との視点で描かれたストーリーが交互になっている、というくらいで物語自体の印象はまったく別モノ。考えてみればかなりせっぱ詰まった状況の女二人がなにくそ!と立ち向かっていくこちらの作品は、単純になんだか気持が明るくなった。二人の土建屋の世界に対する愛がいい。誇りを持って仕事ができるってすごく幸せなことだよなあ。恋愛小説としても梨央の突っ走り具合がかわいくて、ついつい応援したい気持になってしまう。
これから夏バテの季節を迎える中で、この作品には元気がもらえるかも。
福山 亜希
評価:A
「大工の仕事は最高だ。太陽の下で汗をかきながら黙々と家を建てていく。大工の働く姿こそ、労働の本来あるべき至上の姿なんだ。」悪酔いして工事現場の足場に上ってしまったところを、トビの親方徹男に助けてもらって以来、梨央の頭の中は、徹男と大工の仕事のことでいっぱいになってしまった。太陽の下で働く。これこそが労働の原点。こんな仕事は他には無いではないかと。
徹男と出会うまでの梨央は、人生の袋小路に迷い込んでいた。オフィスでの煩雑な仕事に、同僚との不倫。身も心もぼろぞうきんのようになっていたからこそ、彼女に迷いはなかった。女30歳、決して若くはないけど、正に裸一貫で大工の世界へ飛び込んでいく。徹男に近づきたいが為の愚行なのか、純粋に労働に目覚めたのかはともかく、梨央の一直線な行動は、傾きかけた工務店を思わぬ方向へと進ませていくのだ。嫌々会社を受け継いだバツイチの女社長と共に、厳しい現実にぶち当たりながらも、彼女達はその荒波を乗り越えていく。遅々として進まない徹男との恋の行方と、工務店の存亡の危機に、女のロマンをいっぱい感じさせてくれる一冊だ。
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