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グールド魚類画帖 十二の魚をめぐる小説
【白水社】
R.フラナガン
定価 3,780円(税込)
2005/7
ISBN-4560027234
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
朝山 実
評価:B
本書は、孤島に流刑された男が、島の外科医に要請されて描いた魚の絵と、禁止されながらも密かに書き綴った日記の集成だ。挿入されている12の魚の絵は豪州の美術館に現存するもので、19世紀、英国からタスマニアへ流刑となった囚人が描いたものだとか。
男はインクの代わりに、かさぶたを剥がした血やイカ墨で日記を書く。「解放」のシンボルである魚への憧憬、魚の絵がいかにして描かれたか(モデルは誰か)が綴られる。閉ざされた島に漂う、死と腐敗臭、精神の歪み、観念的な述懐にうんざりするが、人物描写には奥行きがある。
「曲がった夕食用のフォークの上に乗っかった、ジャムを塗った焦げたロールケーキそっくり」だと、小さな腰掛に座る巨体の医者を。「クリスマスツリーのてっぺんで輝くベツレヘムの星みたいに、けっこううれしそう」と、黒焦げの死者を表現してみせるユーモアやセンチメンタルさ。はたまた、車が怖くて立ち往生しているおじさんの手を引いて道を渡る、ある出会いのシーン。モノトーンな話に、色をさす描写が魅力だ。帯に書かれた「衝撃の最期」を読んで、純白のカバーに納得です。
磯部 智子
評価:AA
偽造犯グールドの器用な指が描きだす魚類の水彩画。細部を精密に写したというより様式的な美しさで人間のような表情を浮かべた魚の絵から紡ぎだされる物語。実在の画家グールドの描いた十二の魚をめぐる物語は、彼になり代わり作家フラナガンによって語られる。それはあくまで作家の創造、騙りであり、事実に基づいたものではないが、なんとも形容しがたい奇妙な世界の入り口に通じている。イギリスからタスマニアに流刑され、そこで魚類の絵を描き始めた囚人グールドの日々は過酷さを増し、出会う人々の奇矯さは悪夢のような様相を呈し始める。作家の曾祖父母はアイルランドからの流刑囚であり、それは大飢饉の時に4キロ足らずのトウモロコシを盗んだなどの微罪だが、産業革命による失業者の拡大、刑務所の過密、植民地での労働力の必要性などイギリス国内の事情によるものらしい。つまりここは文明社会の最後の掃き溜めであり、権力への渇望、囚人への拷問、原住民の虐殺など凝縮された世界はグロテスクなまでに歪んでいる。これだけでも面白く読み応えがあるのだが…最後の最後にあっと驚く仕掛けが待ち受け、物語の最初に戻り、おれはだれだ……?おれはだれだ……?と連呼される問いに今一度耳を傾けてしまう。
三枝 貴代
評価:AA
実在する三十六枚の魚の水彩画。それを描いたグールドという流刑者の物語を、史実を元に想像で描いた物語。
これは、膨大な比喩によって築き上げられた巨大な迷宮のような小説です。世界は、比喩によって、360度少しずつ削られ、磨き上げられるようにして、現れ出る美しい彫刻のように立ち現れます。時には韻を踏むためにとんでもなく飛躍したイメージが挿入され、それが読み手の意識の運動距離へのゆさぶりとなり、読者は、作者の手の中で自由自在に揺すられているような感覚を味わうのです。
言葉の運動と同時に、描かれるイメージ自体も大きく揺れ動き、事実を元にしておきながらも、幻想的で残酷で美しい奇妙な世界へと読者を運びます。
訳文もすばらしい。
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