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人生のちょっとした煩い
【文藝春秋】
グレイス・ペイリー
定価 1,750円(税込)
2005/6
ISBN-4163240705
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
朝山 実
評価:B
じわじわと村上春樹がこの作者を好きな理由と、タイトルのよさが胸にせまってくる。
人一倍声が大きくて浮いていた少女が、クリスマス劇の役をもらって喜んでいると、「暴君の手を逃れて新しい国にやってきたのに……」と眉をひそめる母親。作者の両親はロシアから米国に移民してきたユダヤ人。「教会」を話題にした場面が喉元にひっかかった小骨のように残るのはそのせいだろう。「ああいう詐欺師の巣窟、日曜に丸天井の下に集うのがおしゃれなんて冗談じゃない」と再婚相手が自分の連れ子を教会の学校に入れようとするのを罵る女など、惰性の中に生きる登場人物たちには感情移入しがたい。なのに、彼らはワタシでもあると気付かされる。一瞬の空気がリアルなのは、作者が作家である前に、主婦であり母であり生活者だからだろう。
決して読みやすい小説ではないと訳者あとがきにあるから、ワタシだけの感触ではかったらしい。どの短編も掲載を拒否され、偶然一編集者の目に止まって刊行されたものの後に絶版。ポピュラーな小説ではない。でも、人生の一コマ。理想の家庭像の裏にある虚無感や離婚率の高いアメリカがよく現れている。
安藤 梢
評価:C
独特な短編集だった。ううむ・・。高度なユーモアが難しすぎて、ついていけなかったというのが正直な感想である。何と言うか、思ってもいないところに会話もストーリーも流れていくのである。まさに予測不可能な状態。とにかく読み進めるうちに、「?」マークで頭は埋まってしまう。理解しようとすると話の突飛さに混乱するばかりなので、少々の疑問には目をつぶって、逆にそのおかしさに乗ってしまえれば面白い。多分、はまったら癖になるんだろうな、とは思う。描かれている全ての女性が不器用で、魅力的である。男に振られたり、恋をしたりとそれぞれに忙しいのだが、みんな生きづらそうに見えるのは何故だろう。決して悲観したりはしない前向きさが、痛々しく心に残る。
村上春樹訳ということで、彼らしい言葉の使い方を探す方に気を取られてしまったような気がしないでもない。
磯部 智子
評価:A+
83歳のカリスマ女性作家、寡作の為たった3冊の本しか出しておらず本作がはじめての短編集らしい。村上春樹翻訳で美しく読みやすい文章で…という予想は裏切られ一編読み終えるたびに、う〜?と唸り声をあげてしまう。総括できない要約できない、そして優しくはしてくれないが冷たく突き放すでもない。人生は重い荷物を背負い込んだようなものなのか。いやいや「ちょっとした煩い」なのだと作家は言う。自分自身がモデルだというフェイスもの(作家は否定しているらしい)『中古品の子供たちを育てる人々』では、元夫と現夫が口を揃えて卵料理の事でフェイスを非難する。そこには夫の取り替え程度では解決しない男と女の問題が潜んでいる。ほか太ったローズ伯母さんが「やっと亭主をもつこと」になる顛末やら、クリスマスにほうきをプレゼントするような夫に捨てられた後、妻子持ちの幼なじみと深い仲になったヴァージニアが夫の戻る日を想像しながら過す日々などが描かれ、シニカルな視点に苦笑しながら、それでも人生を否定的に捉えず、心のどこかを確実にひっかき余韻を残す彼らの物語を、もっと読みたいと静かに渇望してしまう。
小嶋 新一
評価:C
三日ほどかかって会社の行き返りに読んだんだが、実はと言えば、あんまりぴんとこなかった。じゃあ退屈かと言われると、そうとも言い切れない。アメリカの女性短編作家の50年代の作品集だそう。村上春樹氏が訳していることでわかるように、氏好みの短編なんだろう。
日常生活をユーモラスに切り取った作品があるかと思えば、ヒトを煙に巻くようなとぼけた作品があったり。短編ごとに手を変え品を変えした作りであることに加え、一編一編じっくりていねいに書かれているので、ゆっくり味読するのがいいんだろう。だが、僕向きかといえば、今の僕にはもう少し直截的な小説の方がいいかな。いろんな雑事をつかの間忘れさせてくれる、もっと強い作品が。
実はこの作品集、巻末にたっぷりとした訳者あとがき兼解説がついている。僕にはそれが一番面白かった。この短編どういう意味だろう?という様なよくわからなかったところが、氏の説明を読むと氷解するのだ。ああ、そういう読み方をしたらいいのか!とか。村上春樹さんの「読み巧者」振りに、唸らされてしまった。が、それは作品の感想とは別の話ですよね。
三枝 貴代
評価:A
一説によると、村上春樹の小説には英語に翻訳できない単語は出てこないそうです。言われてみると、井戸はやたらと出てきても、そこに飛び込むカエルは出てこないし、侘びも寂びも出てこないような気がします。なるほど。
さて、この本のような村上春樹好みの小説、すなわち彼が翻訳したがる種類の小説ですが。いかにも米国ならではといった単語は出てくるものの、どちらかといえばドラマティックなことは起こらず、日常的で普遍的な感情を描いたものが多いようです。普通の日本人にも共感しやすい感覚、でしょうか。ペイリーの特に巧い部分は、恋愛の現場で男性のとる矛盾した身勝手な行動を写し取ったところで、こういうのって万国共通なのだなあと感心してしまいました。それでいて彼女は、ストレートな怒りをぶつけるのではなく、男ってしょうがないわねと、ちょっと肩をすくめてみせるだけ。なかなか粋で明るく、読んでいて楽しい短編集です。
寺岡 理帆
評価:B
正直、一読しただけではこの短編集はちょっと判断不能だった。ときどき、心にすっと入ってくる言葉がある。ときどき、まったく意味不明な展開を始める話がある。ときどき、文章自体がすぐに理解できなくて混乱する。何度も行きつ戻りつしながら、苦労して読み進んだ。なんだか、妙に味わい深い気がする。けれどよくわからない。つまらない、と簡単に投げ出すのももったいない気がする。何かを、読み落としているような気がする。けれどもしかしたら、そこには何にもないような気もする。わたしは、中身のぎっしり詰まったごちそうの表面だけをなで回しているのか? それとも、何もないからっぽな空間の回りをぐるぐる回っているだけなのか?
ただ、タイトルになっている「人生のちょっとした煩い」というフレーズが出てくる場面はちょっと目から鱗が落ちた気分だった。ああ、やっぱり、この本を、好きなのかもしれない。
福山 亜希
評価:B
村上春樹の翻訳による、グレイス・ペイリーの短編小説集。話は急にそれてしまうが、高尚な作品は、「簡単で分かり易いもの」になれた頭には、最初、どうしてもつまらないものに映る。実はこの短編集も、私はそれなりに面白く読んだのだが、いまいち村上春樹さんが推奨するほどの楽しさを理解する事は出来なかった。自分が感じたそのままの気持ちが、自分なりの本当の評価であるだろう。だが、私はいつも思うのだが、理解できないものに出会った時、思い切って世間の評価にそのまま流されて、無理やり自分でも分かったような気持ちになることも、本を楽しむ為の近道だと思う。その意味で、村上春樹さんと、作者によるあとがきは、作品以上に興味深かった。グレイス・ペイリーという作者の背景を知ることも出来たし、彼女の作品を翻訳するにあたっての意気込みも理解することが出来た。書く側の意気込みや真剣さは、作品単体としての素晴らしさと同じくらい大切なものだと思う。彼女の歩んできた人生と、翻訳者の意気込みを背負って、再読してみようと思った。今度はきっと、この骨太の本を吸収できるようになると思う。
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