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震度0
横山秀夫(著)
【朝日新聞社 】
定価1890円(税込)
2005/7
ISBN-4022500417
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
朝山 実
評価:B
失踪した人物をめぐって、右往左往する組織。「会社もの」の密室劇で、仮面夫婦ではないけれど、磐石にみえていたものがバラバラだったという話。というか、トップ二人の何れにつくか、「勝ち馬」探しの「どっちの料理ショー」を見るみたい。でも、テレビのようには笑えません。阪神大震災の日を選んで、同時進行させているあたりが凝っています。
甚大な被害。ニュースの続報をワキにカイシャの「彼ら」がやっきになっているのは遠方の災害でなく、身近な自己保身。人間の醜態がいやになるくらいグロテスクに描かれています。とくに、エリートから小バカにされる叩き上げの古参。これはアイツだなと見知った顔をあてはめていたりして。誰もが味わったことのある腹立ちのツボをついてきます。
仕事ぶりが評価されていた実直な男が、ある日出社時刻にあらわれなかった、それが半日、一日、二日と時間が過ぎていくにつれ、マイナスの烙印をべたべたと押されてゆく過程は滑稽なほどに、ぞっとします。彼がイイかげんな社員だったら、すべては起こるはずもなかったことなんでしょが。現れない人物を待ち、二人の男が延々と無駄話を続ける有名な舞台劇をちょっと思い出しました。
安藤 梢
評価:A
阪神大震災が起こった同じ日、N県警も大きく揺れる。片や死傷者何千人の大災害、片や一人の人間の失踪なのだが、それが警察という複雑な組織の中で、とんでもなく大きな揺れとなって県警幹部に襲い掛かる。震災と失踪事件が同時進行することで、読めば読むほど自分の保身しか考えない幹部たちの愚かさが際立つ。遠くで起こっているのがたとえ大災害でも、それを実感できない人間の想像力のなさが、痛烈な非難を込めて描かれている。目の前のギトギトとした野心まみれの心理戦に気を取られる幹部たちを、じわじわと追い詰めていき、最後にはそれぞれの醜いまでの本性が現われる。間に挿入された妻たちの腹の探り合いは、「女って、恐い……」の世界である。心理描写だけで結末まで引っ張っていく文章力はお見事というほかない。事件の真相が明らかになった時、「震度0」というタイトルの真意に気付き、震えが走った。完璧である。
磯部 智子
評価:B
表紙に大きな桜の代紋(朝日影)、一目で警察小説とわかる。巨大組織警察、その組織の中で生きるということ、閉じた世界で思惑が入り乱れ息詰まるような密室劇となっている。
阪神大震災の朝、神戸とはおそらく少し距離のあるN県の不破警務課長が失踪した。そこから県警幹部6人の心理戦、内部抗争が始まる。本部長は警察庁キャリアながら本庁での出世はもう先がみえている。同じキャリアで35歳の警務部長は、いずれ警察庁長官、警視総監の椅子をかける前哨戦とばかりに県警内での駆け引きに余念が無い。他準キャリアと地元ノンキャリアの3人が絡み、刻々ともたらされる被災地の惨状を横目に、彼らは彼らの信条に従って行動する。錯綜する情報、過去のそして最近の不祥事が関係しているのか。官舎に住む其々の妻も描かれ益々息苦しい。二人寄れば組織が出来、階級が生まれるという日本人の縮図がここにあり、緊張の糸が途切れる事無くタイトルの意味へと向かい、意外な幕切れをみせる。余談になるが、この本を読んだ警察関係の知人は、非常に細かく警察の内部事情を知っていることに感心したそうだ。
小嶋 新一
評価:A
阪神大震災と時を同じくして、N県警・警務課長が消えた。どこの世界でもひと一人いなくなったら大事件だが、それが警察幹部ともなると、警察内部はおもちゃ箱をひっくり返したような様相、となるんだなあ。
あの大震災が県警幹部連中のだ〜れの目にもとまっていないというのがスゴイ。本部長以下みんながみんな、失踪に端を発する警察内部の駆け引きに血まなこ。キャリアとノンキャリア、敵と味方が入り乱れ、疑心暗鬼、保身と蹴落とし。つまらん事で失望と希望の淵を行き来する男たちの姿が、あまりに滑稽。だいたい彼らは自分では何もできないんだ。部下に尋ね、部下に指示を出す、だけ。自らできるのは便所に行くことぐらい。その無様なこと!
それにしても驚くべきは、この作品の舞台が県警から一歩も外に出ないこと。全編通して、本部と公舎を行き来する男たちの姿を、さまざまな視点から追いかけるわけだが、それでいて息つく暇もなくページを繰らされる。ここまで世界を限定しつつ、圧倒的な緊張感とスリルを描き出せる作者の筆力には、舌を巻かざるを得ない。
救いがない奴らの、救いがないお話だが、最後の最後にほのかな希望の予感が。そんな終わり方も鮮か。
三枝 貴代
評価:C
阪神淡路大震災の起こった未明、震源から700キロ離れたN県警で、警務課長・不破の失踪が明らかになった。
こうくると、不破の失踪と震災が何らかの関係をもっていることを期待するのが人情というもの。しかしこの2つの事象間には何の関係も存在しません。不破の異例の出世。交通違反のもみ消し。県議会。ニセブランド。とにかく色々起きるのですが、それらは相互に関連せず、並列しているだけなのです。横山先生の悪い癖ですね。実際の警察捜査は無関係な事件が一箇所に押し寄せてきて大混乱するものなのでしょうが、そういう現実は、ミステリ読みの期待するところではないと思います。
おまけに、登場人物が嫌な奴だけなんです。警察の人間は一人残らず、互いの腹を探りあって、人をうらやみ、人を出し抜こうと、毎日毎日考えているのでしょうか。一人くらいは良い人を出してくれないと、ちょい哀しい。
寺岡 理帆
評価:B
一人の警察幹部の失踪によって地方警察内部に起こる大激震。6人の幹部のそれぞれの思惑が錯綜する人間ドラマ。ちょっと『半落ち』っぽいけれど、汚い部分ばかりが描かれていてこちらの方が思いっきりドロドロです。でも個人的にはかなり好き(笑)。誰も彼も自分の保身ばかりが優先で、情報戦による激闘が繰り広げられ、目が離せない。
けれど、そのわりには失踪した不破がどういう人間なのか、それがいまいち伝わらない…。だから、6人がそれぞれ焦り、策を講じる気持はわかるのだけれど、彼らが不破自身についてはまったく頓着しないことに対しての怒りがあまり湧いてこなかった。それから、なによりも阪神大震災を持ち出す必然性が…。これは被災者の方にはものすごく不快な小説なんじゃないだろうか。タイトルからしてインパクトを狙ったとしか思えないし。大震災をまったく出さなかった方が、警察小説としてこちらも純粋に愉しめたのだけれど。
福山 亜希
評価:B
阪神大震災の朝、N県警の幹部が突然失踪した。マスコミにかぎつけられる前に何とか事件を解決したいのだが、そこに幹部同士の利害関係が生じ、保身と野心がうずまく権力闘争へと舞台が摩り替わってしまう。
警察小説というと、西部警察のようなスリリングな逮捕劇や、カッコいい刑事などを連想してしまっていたが、「震度0」は警察幹部の実態を明らかにする、現実的な小説だ。密室の中で事を運び、自分の野心のために同僚を出し抜く。そんな警察幹部がぞろぞろと登場して、一般市民としてはげんなりしてしまうけど、これが実態なのだろう。一般企業の立身出世競争と変わらない醜態を、警察権力の中で繰広げている。事件を解決するスリルよりも、警察の実態にリアリティーに迫っている部分に作者の力量が発揮された小説だった。
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