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天使のナイフ
【講談社】
薬丸岳
定価1680円(税込)
2005/8
ISBN-4062130556
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
清水 裕美子
評価:B
ラストで意表を突かれる。寸分違わずピタリ!と解けた感のある見事なミステリー。モチーフになっている万華鏡のよう。
かつて自宅で妻を惨殺された主人公は幼い娘と2人で暮らしている。犯人は13歳の少年3人だった。マスコミの前で吐き出した「国家が罰を与えないなら、自分の手で犯人を殺してやりたい」。数年後、言葉の通り少年Bが主人公の職場近くで殺される。その夜彼にはアリバイが無い。
主人公は少年Bがいた児童自立支援施設を訪ね、そして少年Aを探して会いに行く。贖罪はどのような形で少年の中にあるのか、それとも無いのか。
目新しい素材ではないけれど、ここで起きているのは「少年事件による被害の連鎖」だ。被害者感情と少年法の理念によって更正される加害者の少年。その少年の家族や少年をサポートする寮長・寮母はどう感じているのか。まさかここまで連続して関係者なのか・・・と驚いたが、登場人物は一様にけなげだ。どこかでこの連鎖を断ち切るもの、それが天使のナイフなのかもしれない。
読後感:やられた!(喜)
島田 美里
評価:A
いくら考えても解けなかった問題が、やっと解りかけたような安堵感に包まれた。少年法が改正されたとはいえ、犯罪被害者の救済はいまだ充分ではない。加害者の人権と被害者の知る権利は、永遠に平行線なのではないかと危惧してしまう。しかし、この乱歩賞受賞作に出逢って解決の糸口が見えた気がした。
3人組の少年に妻を惨殺された桧山が主人公。心は憎悪でいっぱいのはずなのに、幼い娘のために彼は愛を枯らさない。そういう優しい男が主人公だからこそ、この作品は信頼できる。被害者と加害者の立場では「更正」の捕らえ方がこんなに違うのはなぜだろう。
「溝を埋めることはできないようだ」という桧山の心の呟きが問題の深刻さを物語る。幾重にも仕掛けがあるストーリーだが、それは単に読者を驚かせるためではない。「贖罪」の意味を探し当てるための道程なのである。いずれの立場にも偏らず、著者が必死でバランスを保ちながら出したであろう答えに、反論できるはずもない。
佐久間 素子
評価:C
乱歩賞には食指が動かず、実のところあまり読んでいない。綺羅星のごとく輝く授賞作家陣にも、特にお気に入りはいない(仁木悦子くらいかな?古っ!)。そんな門外漢なので割り引いてほしいのだが、よくも悪くも優等生的で、ちょっと物足りない気分。無駄がないというか、遊びがないというか、物語ることにいっぱいいっぱいになっている感じがする。なーんて、おもしろくてやめられなくて、がつがつ読んじゃったくせに。そして、もちろん優等生をなめてはいけない。物語の最終地点には、少年法に対する作者なりの答えがある。重くても前向きな更正のモデルがある。被害者側からと加害者側からとの両方の物語を読んできた読者には、作者のメッセージは非常に明確で、ほぼ確実に届けられるのだ。罪と罰について、赦しと再生について、読後、考えこんでいる自分がいる。感動とか、むしろ邪魔なくらい。ともあれ、誠実で熱くて、まさに堂々デビュー!といった感あり。
延命 ゆり子
評価:A
私にしては珍しく続きが気になって夜通し読んでしまった。この臨場感! このやるせなさ! 悲しくていたたまれなくて、始めから泣き通しでした。うううう。
愛娘の目の前で妻を惨殺されたカフェの店長、桧山。しかし犯人は3人の中学生だった。少年法により犯人は逮捕はされず補導される。4年後、犯人の一人が桧山の自宅付近で殺されていた・・・。でもやったのはオレじゃない!そして桧山の孤独な戦いが始まる。
少年法をテーマに途中まったくダレることは無くラストまで走り抜けるスピード感! 伏線に次ぐ伏線! 登場人物のほとんどが何かの事件に関わっている(もしくは知っている)状態! パズルの謎解きをする快感も手伝って、これはもう評価しないわけにはいきますまい。
それにしても心配なのは桧山の切り盛りするブロードカフェだ。店長は仕事を休みすぎているし、バイトの人数が少なすぎる。店には刑事はやってくるマスコミは追いかけてくる挙句店内で流血沙汰にまで・・・・。この店の先行きが不安なところです。
新冨 麻衣子
評価:C
スタバ系コーヒーショプの店長で4歳になる娘と二人暮らしの檜山が主人公。檜山の心に今も色濃く刻まれているのは、妻が殺された事件だ。妻を殺したのは金目当ての13歳の少年3人組だったのだ。事件は日本中の注目を浴び、しかし当時の少年法に守られた少年たちのことを、檜山は何も知ることができなかった。
ところが今になって、犯人の少年のひとりが、檜山の店のそばで殺害される。しかも檜山のアリバイがない時刻にー。再び動き出した事件。檜山はひとりで妻の殺害事件について調べはじめるのだが…。
少年法の問題点を絡めながら、ぐいぐいと読ませるサスペンス。プロットもいいし、ラストのどんでん返しも効いてる。ま、ラストはちょっとやり過ぎ感あるね。ま、でもなかなか面白く読めました。ただそれが江戸川乱歩賞らしいといえばそうなんだけども、作者の個性みたいなものがあまり見えてこないのがちょっと残念。
細野 淳
評価:B
最愛の人を「殺人」によって奪われた人たちは、どのような思いをするのだろうか? ましてやそれが刑罰が下されない十四歳未満の少年・少女の手によるものであったのなら…。
妻を十三歳の少年の手で殺された物語の主人公は、事件当時、決してその行為を許すことはできず、できれば少年達を殺してしまいたい、と思っていた。その感情を忘れつつあった頃に、加害者少年たちが次々と殺されてゆく新たな事件が起こり、主人公は犯人であると疑われてしまう…。
少年法の精神はどのようにあるべきかを問いながら物語は進んでゆく。凶悪犯罪の低年齢化が進む今日、この問いは我々が真剣になって考えてゆかねばならないものの一つなのだろう。二転三転する展開は、ミステリーとして申し分なく、処女作ながら、作者の力量は只ならぬものを感じる。
ただ、真犯人となる人物の一人が、どうしようもない、卑怯で愚劣な人間として描かれている点が少し残念。重い過去や重圧を持っていても、人間としての温かみをどこかで失っていない他の登場人物たちと比べれば、なおさらそう感じてしまう。どのような動機があるにせよ、少年・少女が殺人という行為に行き着く本当の理由は、決して単純なものではないと思う。次回以降の作品には更なる深みのあるものを期待したい。
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