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秋の猫
【集英社文庫】
藤堂志津子
定価500円(税込)
2005/10
ISBN-4087478688
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
北嶋 美由紀
評価:★★★★
「男より、犬や猫。」オビの文句に大賛成しながら読み始めた。男性との関わりにウンザリしてペットへの愛に専念するという話ばかりではない。主人公はいずれも都会暮らしの30〜40歳の女性である。結婚、離婚、恋愛、不倫と男性をめぐる状況は様々だがペットに向ける愛情は正に母性そのものだ。しかし、ペットのみを愛して満足しているわけでもない女の打算が見え隠れして、面白味を出している。「幸運の犬」がよかった。離婚寸前の夫婦が犬の「親権」をめぐって対立するというのも新鮮な発想だし、主人公の夫の愛人に対する静かな感情も、おだやかさの向こうに恐ろしさが見えてきて、ミステリアスな短編である。女はわが子のためなら何でもできるという。ならば従順で、愛らしいという点で子供以上の存在になりうるペットのためなら、さらにしたたかに生きられるのかもしれない。やたらペットを可愛がる人の気持ちがようやくわかったような気がした。夫や子供よりわずらわしさや裏切りもなく、心の隙間をやさしくうめてくれる犬や猫。私も老後はペットと暮らそうかな。
久保田 泉
評価:★★★★★
迷った末の★五つ。迷ったのは、本著が短編集であり、ストーリーもごく身近な、わりとどこにでもいそうな女性たちと、彼女たちが出会う犬や猫を通して描かれる物語だからだ。つまり、ちょっと小説としては小粒かなと、まして藤堂志津子のような凄みさえ感じられる上手い書き手の作品としては、なおさらかなと最初は思った。つらつら考えつつ再読すると、逆にこの一つ一つの短いお話が、やはりこの作家でなくては書けない上質な小説なのだと実感した。私の信じる上質さは、読了後に長く深い余韻が残ること。孤独だ、胸が切ない、癒されたい、言葉だけだと想いの底までは伝わらない。この小説は、そんな言葉の先にある人間のリアルな感情を味わうことができる。犬を飼い始めた私には、つい主人公たちにダメ出ししたくなる場面も多くて苦笑してしまう。だけど彼女たちはヤケではなく、崩れるときは確信的に崩れる。主人公の女性たちも小説も作者も、一筋縄ではいかないのだ。
林 あゆ美
評価:★★★
人間同士の関係にほつれが出たり、終わったりと変化が起きた時のキーとなるのが、飼っている犬や猫という短編が5作収録されている。
5編とも女性が主人公で、小さなきっかけで飼い始めた犬や猫が、次第に生活の中心になっていく。私がエライのよ的な中心ではなく、生活の大事なパートナーとして、女性たちが自然と中心においているのだ。ときに人間の男性もわりこんでくるのだが、確かな絆は動物たちとの方が強そうに見える。どうしようかと相談したり、助けを求めたり、その時々の自分に一番ほしいものを犬や猫が与えてくれる。
一作「ドルフィン・ハウス」を紹介すると、壁一面にイルカの絵が描かれているコーポハウスの大家に興味をもったのが、33歳独身女性の「私」。大家さんの飼っているハナという猫とはあまり相性あわない「私」が、年齢差のある大家さんとの将来に野心をもって、計算高く近づいていく様子が描かれている。だが、「私」の過去もさらりと書かれているだけに、計算高さも嫌みなく読め、おもしろい。
どの作品もさみしいなと思う生活に、小さな動物たちがあたたかく寄り添っている。
手島 洋
評価:★★★
猫、犬、イルカといった動物が登場する短編集。そう言われて想像するような今風のものとは違う一風変わった「癒し系」ストーリーだ。
浮気癖のある男と別れ、猫を飼うことにしたものの、今度は猫に振り回されることになる女性。女のできた夫と別れることを了承しながらも飼い犬の親権は譲れずにいる女性。などなど、動物をめぐった話が全部で5編入っている。最初は、動物ものにしてはずいぶんどろどろしているなあ、と思っていたが、読み進めるうちに印象が変わってきた。どの話にも共通しているのは、主人公の女性たちが自分に自信がなく、自分の計算高さに辟易しているところ。その疑心暗鬼が強くなりすぎて、自分も他人も信じられない状態になり、動物だけを拠りどころにしている、というのが痛々しい(そうはいえない登場人物もいますが)。最後にとんでもない行動に出る「公園の犬」の女性も、夫が精神的に自立し、新しいスタートが切れるためにあえてやった行動ともいえなくない。これは自分を肯定できない人たちのための物語なのだ。
山田 絵理
評価:★★★★★
最初からすっかりひきこまれてしまった。表題作「秋の猫」は、結婚のため、恋人の女癖の悪さにも目をつぶってきた36歳の私が、突如彼との関係に終止符を打ち、かねてからの念願だった猫を飼い始めるという話。もらったうちの1匹は愛嬌があって人懐こいが、もう一匹がひねくれもので全然なつかない。猫との暮らしで心の安定を手に入れようとしたのに、かえって途方にくれてしまう。
どの短編もユーモアが効いていて、一人の寂しさを漂わせ、そのくせなかなかしたたかで、男に対しては辛口で、小気味良い終わり方をする。
三十代女性の、心のゆれがよく伝わってくる。ある程度の人生経験を積んでおり、二十代のように向こう見ずなことはしない。幸福は、世間や社会にどう思われているかに自らを合わせることではないことを知っている。だけど結婚の二文字は気になる。時々、ふと人生の先が見えたような気がしてしまう。
本書を二十代前半で読んだら面白いと思っただろうか?読後、そんなことが気になった。
吉田 崇
評価:★★★
あれはエッセイだったと思うのだが、安岡章太郎の『犬をえらばば』が好き。紀州犬のファンになったのは、あの本を読んだせいだ。そういう好みで言うと、あんまりカワイーカワイーするペットというのは理解ができず、ジャック・ロンドンの世界みたいに、生活の周辺にきっちり命として存在する様な、そんな動物文学の方が面白い気がする。とは言え、本書、動物を描く事が主眼ではないので、その辺の事は、実はどーでもいいのである。
僕は、いつも読後しばらくたってから、書評をする事にしているのですが(読み終えてすぐのたかぶった精神状態だと何を口走るか、我ながらオソロシーので)、今考えると、動物を飼うという設定を使って、結構いろんなタイプのお話の集められた本なんだなと、感心しました。表題作はユーモラスなラストが、「幸運の犬」ではハードボイルドな語り口が、その他、恋愛ありドタバタあり、結構大人な短編集です。
解説の谷村志穂の最後のひと言に力強く賛成します。
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