2030年にうまれる「究極のメディア」ってなに?~『2030年 メディアのかたち 』

2030年 メディアのかたち (現代プレミアブック)
『2030年 メディアのかたち (現代プレミアブック)』
坪田 知己
講談社
1,050円(税込)
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 2008年のリーマンショック以来の不況で、マスメディアはとても大きな壁にぶちあたっている。テレビや新聞、雑誌などへの広告が減っているだけでなく、世界的に新聞や雑誌の購読者が減少。このままマスメディアは衰退していくのではないか、という危機感が広がりつつある。

 現在、多くのマスメディアがデジタル化による生き残りをはかっているが、実際にデジタル化によってビジネスモデルが構築できたという実例は、未だに耳には届いてこない...。
 
 そうした現状を受けて、デジタルメディアが生まれて20年以上ものあいだ、第一線で取材を続けてきた日経メディアラボの初代所長・坪田知己氏が、将来われわれが手にするであろう「究極のメディア」について本書で紹介している。

 それは「多対一」のメディア。言い換えれば「マイメディア」のこと。例えば自分専用のマイニュースペーパーを想像してほしい。自分の趣向にあったニュースが届けられるのだ。既存の新聞やテレビは一人ひとりの視聴者に個別の情報を送るのに向いていない。そもそも放送とは、不特定多数に対して、一斉同報で情報を送るメディア。誰かにとってのトップニュースは、自分にとっても等しくトップニュースというわけではなく、逆もまたしかり。
 
 このような「究極のメディア」は、デジタルなら実現可能だと坪田知己氏は語る。なぜそれが言い切れるのか。本書の紙幅すべてを使って、詳しく紹介されている。

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