交通事故がイチローを最強のバッターにした!? ~『イチロー式逆境力』

イチロー式逆境力
『イチロー式逆境力』
児玉 光雄
ぶんか社
1,365円(税込)
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 今シーズン、メジャー通算2000本安打、そして9年連続200本安打という偉業を達成したイチロー。多くの人がイチローは順風満帆に成功し続けていると考えているだろうが、それは大間違い! イチローの野球人生は逆境ばかり。そんなイチローから学ぶ逆境の乗り越え方は、ビジネスの場面なども含め生きていく上でとても参考になりそうだ。

 イチローは小さい頃から野球選手になりたいと夢見ていたが、「プロ野球選手になるには背が小さすぎる」と言われ続けてきた。また、甲子園に2回出場しているが、いすれも2回戦敗退。ドラフトは4位指名。オリックス時代、最初の2年は1軍に定着できなかった。

 特に恵まれた環境にいたわけでもなければ、学生時代から注目されていたわけでもないイチローが、なぜ偉大なアスリートになりえたのか? それは、彼がさまざまな逆境の中に潜んでいる「飛躍のヒント」を見つけ出す天才だったから。イチローは「ピンチ」を「チャンス」と考える。その思考こそがイチローを世界トップクラスのバッターへと成長させた。

 イチローならではの思考が現れたエピソードがある。イチローは高校2年の春、交通事故に遭って1ヶ月半の間、松葉杖での生活を余儀なくされた。しかも、この事故により速いボールが投げられなくなってしまうという野球選手としては致命的な後遺症が残ってしまう。当時、ピッチャーをしていたイチローはこの事故を機に外野手へと転向する。ここからイチローのバッター生活が始まったのだ。イチローは当時のことをこう語っている。

 「交通事故さえなければ、きっとピッチャーを目指していたと思います。でも、この事故のおかげで早い球が投げられなくなった。結果的に打者としてプロを目指すきっかけを作ってくれたのは、この交通事故なんですね」

 交通事故がなければ今のイチローはなかっただろう。それ以降もこの逆境を飛躍のチャンスととらえる考え方を持ち続け、世界で活躍するに至った。イチローの考え方を活かせれば、みんな今以上の実力を出せるに違いない。

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