女性はお気に入りの服が無いと外出しない?~『欲望解剖』

欲望解剖 (幻冬舎文庫)
『欲望解剖 (幻冬舎文庫)』
茂木 健一郎,田中 洋
幻冬舎
480円(税込)
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 世の中にある愛着のなかで最も顕著なものは何だろう。おそらく人生で最初に抱く愛情こそが最も強烈なもの。つまり、お父さんやお母さんに抱く感情。子どもがお母さんを探し求め、いないと淋しがるあの気持ち。実は、あれこそがマーケティングの基本らしい。売り出したい商品にあのような自分の親への愛着に近い気持ちを持たすことができたら、大成功。例えばコーラならコカ・コーラを飲み続けるというように、豊富にある清涼飲料水の中でもコカ・コーラに愛着を持たすのだ。

 また、「お気に入りの服がないと外に出て行く気がしない」という女性の意見を聞いたことはないだろうか。そういう人には"勝負服"や"勝負バッグ"が必要。これらのアイテムは、人にとって安全地帯となるのだそうだ。それを持つことによってうまれる安心感により、もっと自由に生きることができ、もっと自由に行動することができるようになるという。例えば、ルイ・ヴィトンやエルメスといったブランド品を持つことによって、大胆に行動するようになるのはそのせい。そういった体験を経て、人は物に愛着をもっていく。

 そんな人間の愛着や欲望の本質について知りたい人におすすめの本が『欲望解剖(幻冬舎)。なぜ女性は勝負服にこだわるのか、なぜ人は嫉妬するのか、なぜ宝くじを買ってしまうのかといった観点から、おなじみの脳科学者・茂木健一郎氏と新進のマーケッター田中洋氏が人間の根源に迫った分析を繰り広げている。

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