ツイッターは「考えるな、感じろ!」~『Twitter社会論』

Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)
『Twitter社会論 ~新たなリアルタイム・ウェブの潮流 (新書y)』
津田 大介
洋泉社
777円(税込)
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン

 ツイッター(Twitter)というサービスをご存知だろうか? ツイッターとは、簡単に言えばブログとチャットを足して2で割ったようなもの。もう少し詳しく言うと「インターネットを通じて140字以内の『つぶやき』を不特定多数にリアルタイムに発信し、自分で選択した他人の『つぶやき』を受信するサービス」で、06年7月にアメリカで開始された。

 ツイッターの注目度が飛躍的に高まったのが昨年のアメリカ大統領選。オバマ大統領が「インターネットがなければ当選はあり得なかった」と言われるほどネットを活用し、その反響の大きさから今ではツイッターとビジネスを結びつける様々なプランが模索されているほど。その成功の1つのカギに「ネット特有の法則」があるとメディアジャーナリストの津田大介さんは指摘する。

 その法則とは「ユーザーに考える時間を与えたら負け」というもの。テレビ通販が「あと○○個でおしまいです!」「これが最後のご提供です!」と繰り返すことで購入を促すのと同様、ネット通販では速戦即決が大原則なんだとか。

 ネット通販の購入率は、確認画面が1つ挟まれるごとに低下する。消費者は「これを購入しますか? YES NO」のような画面を見てしまうと「この商品は本当に必要なのか?」と冷静になり「CANCEL」をクリックしてしまう。ネット通販の最大手・アマゾンがユーザーにクレジットカードを登録させ、迷う時間を与えずにワンクリックで購入する環境を構築したのはその究極の形なのだ。

 すでにパソコンメーカーのデルは、販売情報をツイッターにリアルタイムで「つぶやく」ことで売り上げを伸ばしている。まさにブルース・リーの名言「考えるな、感じろ!」を地で行く、仁義なき戦いが繰り広げられるネット通販の世界。新たなビジネスモデルを生む可能性をもつツイッターが、通販革命を呼び起こす日は近そうだ。

 ところで、前出の津田大介さんは、ツイッターを使って審議会やシンポジウムの内容を実況中継することを意味する「tsudaる」というネット用語の生みの親。そのツイッターのパイオニアが満を持して書き下ろした最新刊『Twitter社会論』では、ツイッターの世界で今何が起こっているのか? そして、これからどうなるのかについて津田さんの見解が展開されている。もし、津田さんとツイッターについて「つぶやき」あいたければ、アカウントを取って「@tsuda」をフォローすればOK。本の作者とすぐにつながることができる点も、ツイッターの優れているところなのかもしれない。

« 前の記事TOPバックナンバー次の記事 »