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なかよし小鳩組
【集英社文庫】
荻原浩
定価 700円(税込)
2003/3
ISBN-4087475573
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
池田 智恵
評価:D
零細広告代理店勤めのアル中バツイチ駄目男・杉山の娘、少学2年生の早苗はこう言う。
〈「もっちロンドンパリ!」〉
……萩原センセイ、それは子供じゃなくて、オヤジの台詞です。早苗ちゃんすごいっす。大人の小説の味付けとして都合のいいかわいさ満載です。なんたって、母親がガンの手術前で気落ちしていても、離縁した父親に預けられていても、ヘーキで天真爛漫なんですから。そんで、TVドラマの台詞〈「不幸は比べることから始まるのよ」〉なんて引用して、父親をなぐさめちゃうんですから。小学二年生は悩んだり、感じたりしないと思ってるのかしら?萩原センセイったら。なんつーか、男の子の弱さを都合良くなぐさめてくれるための天使役?観察力のない男の妄想?なんだか娼婦みたい!
……私には早苗ちゃんの造形のあまりの嘘臭さが、受け入れがたかったす。子供を利用して“いい話”をでっち上げないでください。頼むから。
延命 ゆり子
評価:B
暴力団の宣伝を、それと知らずに担当することになる弱小広告代理店。暴力団と手を切るために主人公はある課題に取り組み、情けない自分まで立て直そうとする。笑いあり涙あり親子の絆ありの、非常に健全な作品。ドラマでこんなのありそう。藤井隆主演でどうか。クリアすべき課題には現実感がなく、暴力団もコミカル。ヒキタクニオの暴力団とは雲泥の差であります。誰が読んでも安心。なんだか殺伐とした作品が多いので、たまにこういうのがあるとホッとしますよねー。いや、マジでマジで。
児玉 憲宗
評価:AA
なんということだ。登場人物一人一人に感情移入してしまう。アル中、バツイチ、子持ちのコピーライター杉山はもちろん、早苗、石井、河田、勝也そしてカビゴンまでとにかく全員だ。それほどにのめり込んでしまうのだ。登場人物それぞれが、どこにでもいそうでどこにもいそうになく、未熟で、いいかげんで、俗物的で、そして例外なくいい人だからだろう。「いい人」と言っても皆「ヤクザな人」と「ヤクザの人」ばかりではあるけれど。
こんな魅力ある登場人物がくんずほぐれず入り乱れるはちゃめちゃなストーリー。萩原さんが放つ独特の表現方法とテンポある文章も加えて、抜群の「可笑しさ」が繰り広げられる。
その「可笑しさ」で実はもう充分なのだが、おっとどっこいそれだけではない、ウルウルと感動させられてしまう場面も後半には登場するというオマケ付き。昨年競うように繰り広げられた女性雑誌の豪華付録合戦みたいに、値段据え置きなのにアクセサリー、折り畳み傘、ストッキング等が付いてきたような嬉しさだ。
鈴木 崇子
評価:A
笑えた! バツイチでアル中のコピーライターが会社でもプライベートでも騒動に巻き込まれるドタバタもの。登場する人々、みんなヘンでおかしい。主人公の働くユニバーサル広告社自体怪しげだし、甘いもの好きの石井社長や恐れを知らぬ超マイペースなデザイナー村崎。なぜかCI(企業イメージ統合戦略)の依頼をする暴力団の名は小鳩組で間抜けだ。池野めだか(私の勝手な想像です)のような小鳩組長や万年ヒラの悲哀漂う組員河田などなど。特に、主人公杉山の元に転がり込んでくる娘の早苗は突拍子もないキャラクターで笑わせてくれる。
でも、ただただ笑えるだけの小説ではない。ダメな父親なりに娘のためにがんばる主人公の姿は、ちょっぴりけなげでしんみりもする。諦めた夢にむかって走り続ける若い組員には陰ながらエールを送りたくもなる。
笑いの中にもほろりとさせられ、すっかり作者のペースにはまってどんどん頁が進んでしまった。うまい!
高橋 美里
評価:A+
今月イチオシの一冊。
倒産寸前の広告代理店・ユニバーサル広告社。仕事を選べる状態ではない、とは言いつつも、舞い込んできた仕事はヤクザの広告を作ること。主人公はバツイチでアル中のコピーライタ。冴えない元・父親の元には母親の再婚相手と上手く付き合えない娘・早苗が転がり込んできた。ヤクザの広告を作るという重責と、会社の未来と、なれない娘の世話。そのすべてを一生懸命こなそうとする杉山の姿はカッコイイ。父親の姿とはこうでないと・男の生き方ってこうでないと、と考えてしまう。読後の爽やかさといい、もうこれ以上ない、というほど読ませてくれる内容と。たくさんのことを書くと安っぽくなりそうなので、まずは手にとって頂きたい。と思います。
中原 紀生
評価:A
任侠団体・小鳩組がなにゆえ、コーポレイト・アイデンティティ、つまりキャッチフレーズとロゴマークの制作を、なかば脅しのテクニックをつかってまで零細広告代理店に依頼することになったか。後に明かされるその訳は唖然とするほどマンガ的で、とてもこの世のこととは思えない。だけど、おかげでこれほど笑えるシチュエーションが生まれたのだから、それは許せる。酒と仕事にかまけてカミさんに逃げられたダメ男のコピーライター杉山が、なぜに生活の更正を思いたち、ヤクザ相手にアドレナリンを噴出させるにいたったか。テレビCMと代理店契約破棄の条件として、小鳩組の創立四十周年記念イベント(お子さま向けプレイコーナー「なかよし小鳩組」の開設を含む)への入場者千人動員と、市民マラソン大会への出場で手打ちができたのはなぜか。ご都合主義そのもののストーリー展開は、でも、それゆえに杉山と下っ端ヤクザとの友情や、再婚した妻に引き取られた娘と杉山とのつかの間の交情に味わいが生まれ、不条理なまでに胸が熱くなるラストシーンが生きてくるのだから、これも許せる。とても気持ちがよくなる作品だ。
渡邊 智志
評価:B
“笑わせて、ちょっぴりホロリとさせて、最後はみんながハッピーエンド!” シチュエーションコメディはこれが大切だと思います。登場人物や状況のすべてがハメ絵パズルのように過不足なくピタッと収まると満足感が得られます。ところがほんの少しでも取りこぼしがあろうものなら、フラストレーションが溜まり、いつまでも気になって読み進めるのが嫌になります。「意外な人物の正体が実は!」とか「敵の極悪人の本性がすごくイイヒトだった…!」とか、爽快感を得る条件を細かく決めていったら、完璧なシチュエーションコメディなんて世界にひとつしか出来上がらないような気もするんですけど。本作のハメ絵はかなりいい線まで出来上がっているのですが、ツメが甘い印象です。意外な要素の醸し出す滑稽さが最後まで突き詰められていないようです。NHK銀河テレビドラマ(5夜連続)とかにちょうど良いかもしれませんね。主演は時任三郎か、佐藤浩市かな…?