十九世紀後半、ロンドンの外れに巨大なごみ捨て場があった。幾重にも重なる山のその中心には『堆塵館』という、ロンドンの不用なごみの寄せ集めでできた巨大な屋敷があり、ごみから財を築いたアイアマンガー一族が住んでいた。
一族の者は、生まれると必ず「誕生の品」を与えられ、その品を一生涯肌身離さず持っていなければならなかった。十五歳のクロッド・アイアマンガーは誕生の品の声を聞くことができる一風変わった少年だった。一方、十六歳の孤児のルーシー・ペナントは、召使いとして堆塵館に入り、館の風変わりな伝統と習慣を教えられ、暖炉掃除係として働くことになる。そしてある夜クロッドと出会ったことで、一族の運命が大きく変わっていく......。
『望楼館追想』から十五年、物への偏愛の著しいエドワード・ケアリーが満を持して送る超大作。
本書『堆塵館』(東京創元社 3240円税込み)の刊行を記念し、翻訳家の古屋美登里さんをお招きしてトークショーを開催いたします。
ゲストは、ケアリーの大ファンというミステリー作家の深緑野分さんです。
店内でのイベントです。50分ほどのトークのあとサイン会となります。下記参加方法を大読みください。
<プロフィール>
古屋美登里(ふるや・みどり)
翻訳家。訳書にM.L.ステッドマン『海を照らす光』、イーディス・パールマン『双眼鏡からの眺め』(以上早川書房)、ラッタウット・ラープチャルーンサップ『観光』(ハヤカワepi文庫)B.J.ホラーズ『モンスターズ 現代アメリカ傑作短編集』(白水社)、ダニエル・タメット『ぼくには数字が風景に見える』(講談社文庫)、デイヴィッド・フィンケル『帰還兵はなぜ自殺するのか』『兵士は戦場で何を見たのか』(以上、亜紀書房)ほか。
深緑野分(ふかみどり・のわき)
1983年神奈川県生まれ。2010年、豊かな描写力とトリッキーな構成が高く評価された「オーブランの少女」が第七回ミステリーズ!新人賞佳作に入選する。13年、入選作を表題とした短篇集でデビュー。15年に刊行した初長編『戦場のコックたち』は第154回直木賞候補となるなど、高く評価される。最新刊は『分かれ道ノストラダムス』。
エドワード・ケアリー(Edward Carey)
1970年にイングランド東部のノーフォーク州ノース・ウォルシャムで生まれる。寄宿制の私立学校を卒業後、パングボーンの海軍学校に入学したが、軍人になってほしいという家族の期待を裏切って、イングランド北部にあるハル大学の演劇科に入学し、国立青年劇団に参加。その後、形成外科の記録係やロンドンの劇場の楽屋の守衛、マダム・タッソー蝋人形館の警備員などの職に就いた。画家か俳優になりたかったが、自分に向いていないことを悟り、小説家を志したという。イラストレーター、彫塑家であり、人形も作っている。『望楼館追想』と『アルヴァとイルヴァ』は十三カ国語に翻訳された。現在は、アイオワ大学の作家養成講座や、テキサス大学の文学部とミチェナー・センターで、創作作法やおとぎ話について講義している。これまでに母国イギリスはもちろんのこと、フランス、ルーマニア、リトアニア、ドイツ、アイルランド、デンマーク、アメリカ合衆国で生活したことがあり、現在はアメリカ合衆国テキサス州オースチンで妻と子供ふたりと暮らしている。妻はアメリカの作家エリザベス・マクラッケンである。
開催日時 | 2016年10月20日(木)19:00~ |
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会場 | 代官山 蔦屋書店 1号館2階イベントスペース |
参加方法 | 2016年9月15日(木)朝7時より、代官山 蔦屋書店 1号館1階レジカウンターもしくはお電話にて、ご予約を承ります。 ① トークのみ参加できる券(1000円税込み)と、 ① ②、どちらでご入場になっても、イベント当日、当店にて深緑野分さんの著作を何かお買い上げいただければ、トーク後深緑さんのサインももらえます。 オンラインストアでもお申込みいただけます。 『堆塵館』の当店での発売日は9月30日(金)です。イベント当日以前に店頭にて本付きのご参加券ピックアップをご希望の方は、9月30日(金)以降でお願いいたします。オンラインストアでお申込みの方も、発送は9月30日(金)以降となります。ご了承ください ・参加券はお一人1枚とさせて頂きます。 |
定員 | 50名 |
問い合わせ先 | 03-3770-2525(営業時間内の問い合わせとなります。 |