W杯、今大会のサプライズは?~『考えよ! ――なぜ日本人はリスクを冒さないのか?』

考えよ! ――なぜ日本人はリスクを冒さないのか? (角川oneテーマ21 A 114)
『考えよ! ――なぜ日本人はリスクを冒さないのか? (角川oneテーマ21 A 114)』
イビチャ・オシム
角川書店(角川グループパブリッシング)
760円(税込)
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 ワールドカップはサプライズが起こるから面白い。

 元日本代表監督のイビチャ・オシムは、W杯南アフリカ大会では、スロベニアがサプライズを作り出せるだろうと、書籍『考えよ──なぜ日本人はリスクを冒さないのか?』で語っている。スロベニアが属するのは、イングランド、アメリカ、アルジェリアが同居するグループC。このグループで一番手となるのはイングランドのはず。そのイングランドにとって、スロベニアの存在はあまりに未知数。しかし、こういうシチュエーションにおいて、サプライズというものが起こるのだと。

 もしかすると、グループDに入ったセルビアも、サプライズを起こす可能性を持つチームかもしれない。しかし、それは彼らが前もって、そんなことを考えすぎないといった条件がつく。大会直前になって、メディアを通じてセルビアの名前がダークホースとして挙がる状況になっていた場合は、セルビアのことは忘れて欲しいとオシム氏はいう。彼らは、アウトサイダーでいてこそ力を発揮するのだそうだ。セルビア人のメンタリティーは、誰も予想していない時には勝つが、勝利への期待を寄せた時には負けるという傾向がある。このアウトサイダーでいてこそ能力を発揮するという傾向は、日本代表にも当てはまるのかもしれない。

 サッカー界のヒエラルキーを基本にして考えると、日本代表が入ったグループEを抜け出して決勝トーナメントに進むのは、オランダとデンマーク、もしくはオランダと日本ということになるだろうとも話す。日本はカメルーンに勝つことができるのだ。それは、カメルーンには弱点があるから。彼らは多額のお金を稼ぎすぎ、巨額な札束を手にして墜落してしまった。今日、お金のために美しいプレーはなくなり、サッカーは破壊されており、はびこっているのは勝利至上主義。戦っているのは、11人対11人のチーム同士のように見えるが、実はそうではない。スポンサーがチームを通じて戦っている。

 カメルーンは日本に100%勝てると思っているはず。しかし「勝って当然」といわれているプレッシャーの下で、自分たちのペースでゲームを支配できない、あるいはゲームプランが計画通りに運ばなかった時に、彼らは慌てふためくことがある。

 今年1月に開催されたアフリカ選手権をみるとそれは明らかだった。グループリーグの初戦で格下のガボンに敗戦している。勝てると思っていた相手に勝てなかったのだ。

 日本はベスト16に進出するチャンスがある。ワールドカップはサプライズが起こる。だから面白い。

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