韓国には0-2で負けたけれど…~『オシム 勝つ日本』

オシム 勝つ日本
『オシム 勝つ日本』
田村 修一
文藝春秋
1,400円(税込)
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 6/14 日本vs.カメルーン
 6/19 日本vs.オランダ
 6/24 日本vs.デンマーク

 W杯に挑む日本代表メンバー23人も決定し、本大会まで残り1か月をきった。日本代表は目標とするベスト4に到達することができるのか、サッカーファンならずとも国民的関心事として注目が集まる。

 そんななか、前日本代表監督のイビチャ・オシム氏が、書籍『オシム 勝つ日本』で日本の対戦相手について語っている。

 日本が対戦する3チームに関して、簡単ではないが難しすぎるわけでもないグループというのがオシム氏の印象。カメルーンには日本は負けていないので、これは経験的に有利とみている。オシム氏が監督の時には2‐0で快勝しており、エースのエトーを阿部と中澤と闘莉王で封じ込めた。だから、日本はカメルーンに恐れることなく、逆にカメルーンが日本を恐れるように仕向けたらいいという。

 それにはまず自分に自信を持つこと。そのうえで恐怖心を克服する。ときには自分自身をだますことも必要かもしれないと、独特の表現を用いてアドバイスを送っている。

 続く第2戦のオランダは、中盤のクオリティは出場国のなかでナンバーワンと分析。ファンデルファールト(レアル・マドリー)やスナイデル(インテル・ミラノ)、ファンボメル、ロッベン(共にバイエルン・ミュンヘン)、ファン・ぺルシー(アーセナル)など、個人の能力が非常に高い。それだけでなく、プレーはコンパクトでディシプリン(規律)がある。オランダを個人主義のチームとみるのは間違いのようだ

 ただし、伝統的に相手に関係なく自分たちのスタイルを押し通す傾向がある。だからうまくかみ合えば5~6点とることもある反面、圧倒的に攻め込みながら1点も決められないこともあるのだそうだ。また、守備は攻撃ほどよくない。GKを含め、3~4人はすでに峠を越している。さらに彼ら以上にボールをキープし、パスをまわすチームと対戦すると、どうしていいかわからなくなってしまうという欠点もある。日本にもつけ入る隙はあるというのだ。

 デンマークもオランダ同様に、コレクティブでディシプリンがあるチーム。どこが相手でもコンプレックスを持たずに、自分たちのやるべきことをする。決して怖がらず、やっかいな相手だと紹介する。プレースタイルはノーマルでオーソドックス。選手は自分の役割を理解し、やるべき仕事を忠実にこなす。驚きはないが安定している。

 日本代表がベスト4を目指すのであれば、2位でグループリーグを通過する必要がある。つまり1勝1分けが必要といえる。岡田監督は23人のメンバーをあらゆる状況を想定して選んだと言った。では、どのチームから1勝を、またどのチームから1分けを計算しているのだろうか。

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