4月1日(水)
- 『浦和レッズ LEGEND〈1〉赤き勇者たちの物語』
- 河野 正
- 河出書房新社
- 1,728円(税込)
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- 『浦和レッズの幸福』
- 大住 良之
- アスペクト
- 1,620円(税込)
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- 『浦和レッズ10年史』
- ベースボールマガジン社
- 3,086円(税込)
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あー参った。通勤電車の埼京線が新宿駅に着く頃には、ハンカチが涙と鼻水でぐしょぐしょになってしまった。花粉症ではない。男泣きだ。発売されたばかりの『浦和レッズ LEGEND1 赤き勇者たちの物語』河野正(河出書房新社)を読んでいたら、もう涙があふれてきて止まらないのだ。
著者の河野正はレッズサポなら多くが知っている元・埼玉新聞の記者で、その記者が浦和レッズの記憶や記録に残る選手たち32名を描いたのが本書である。ちなみに取り上げられているのは名取篤、広瀬治、土田尚史、福田正博、水内猛、田北雄気、トリビソンノ、柱谷幸一&哲二、西野努、池田伸康、ルンメニゲ、岡野雅行、曺貴裁、バイン、田口禎則、ブッフバルト、福永泰、土橋正樹、トニーニョ、大柴健二、内舘秀樹、永井雄一郎、ペトロビッチ、田畑昭宏、ベギリスタイン、小野伸二、池田学、室井市衛、阿部敏之、井原正巳、マリッチである。
河野は三菱時代から浦和レッズを追っており、そして埼玉のサッカーにも精通しているだけあって、だからこそ出てくる何気ない文章が胸に来る。例えば引退後はテレビなどで活躍しているひょうきんものの水内猛。
「明るくおちゃめな性格で人気者だった。見た目"軽い"人間のように勘違いされることもあるが、筋を通す一本気な性格。何もできない自分が悔しくて、泣きながら練習していた男である。」
あるいは何度も僕らの背筋をゾクゾクさせるスルー・パスを福田正博、岡野雅行に送り続けたウーベ・バイン。
「あれから浦和にはすご腕のMFが何人も加入してきたが、あの独特の感性と間合いで繰り出すパスを持ち合わせた選手は、一人としていない。」
ここで書かれているのはマリッチ以外ほとんどが、駒場スタジアムで活躍した選手たちであり、読んでいると鉄さくにしがみつきながら声援を送っていた様々な光景が浮かぶ。なぜかここでは取り上げられなかった堀孝史のミドルシュート、困った表情で上がるか下がるか悩むサイドバック杉山弘一、期待を込めて見つめていた岩瀬健などなど。
あの頃の我ら浦和レッズは、それができなかっといえばそれまでなのだが、勝つことや美しいサッカーを見せるなんてことよりも、もっと大切なことを僕らに見せてくれていたような気がする。それは言葉に置き換えることが難しいのだけれど、その代表格が福田正博であり、だからこそ福田はミスターレッズであり、たぶんそれらが「We are REDS」の権限なのだと思う。
『浦和レッズの幸福』大住良之(アスペクト)や『浦和レッズ10年史』(ベースボールマガジン社)とともにレッズサポ必読の1冊。特に駒場スタジアムに並んでいたくちには絶対のおすすめ。
著者の河野正はレッズサポなら多くが知っている元・埼玉新聞の記者で、その記者が浦和レッズの記憶や記録に残る選手たち32名を描いたのが本書である。ちなみに取り上げられているのは名取篤、広瀬治、土田尚史、福田正博、水内猛、田北雄気、トリビソンノ、柱谷幸一&哲二、西野努、池田伸康、ルンメニゲ、岡野雅行、曺貴裁、バイン、田口禎則、ブッフバルト、福永泰、土橋正樹、トニーニョ、大柴健二、内舘秀樹、永井雄一郎、ペトロビッチ、田畑昭宏、ベギリスタイン、小野伸二、池田学、室井市衛、阿部敏之、井原正巳、マリッチである。
河野は三菱時代から浦和レッズを追っており、そして埼玉のサッカーにも精通しているだけあって、だからこそ出てくる何気ない文章が胸に来る。例えば引退後はテレビなどで活躍しているひょうきんものの水内猛。
「明るくおちゃめな性格で人気者だった。見た目"軽い"人間のように勘違いされることもあるが、筋を通す一本気な性格。何もできない自分が悔しくて、泣きながら練習していた男である。」
あるいは何度も僕らの背筋をゾクゾクさせるスルー・パスを福田正博、岡野雅行に送り続けたウーベ・バイン。
「あれから浦和にはすご腕のMFが何人も加入してきたが、あの独特の感性と間合いで繰り出すパスを持ち合わせた選手は、一人としていない。」
ここで書かれているのはマリッチ以外ほとんどが、駒場スタジアムで活躍した選手たちであり、読んでいると鉄さくにしがみつきながら声援を送っていた様々な光景が浮かぶ。なぜかここでは取り上げられなかった堀孝史のミドルシュート、困った表情で上がるか下がるか悩むサイドバック杉山弘一、期待を込めて見つめていた岩瀬健などなど。
あの頃の我ら浦和レッズは、それができなかっといえばそれまでなのだが、勝つことや美しいサッカーを見せるなんてことよりも、もっと大切なことを僕らに見せてくれていたような気がする。それは言葉に置き換えることが難しいのだけれど、その代表格が福田正博であり、だからこそ福田はミスターレッズであり、たぶんそれらが「We are REDS」の権限なのだと思う。
『浦和レッズの幸福』大住良之(アスペクト)や『浦和レッズ10年史』(ベースボールマガジン社)とともにレッズサポ必読の1冊。特に駒場スタジアムに並んでいたくちには絶対のおすすめ。