12月11日(水)代々木オリンピックプール

夜、書店員さんたちとBリーグを観に、国立代々木競技場第一体育館を訪れる。

ここに最後に来たのは、まだ代々木オリンピックプールと呼ばれていた1991年10月30日のことだ。尾崎豊の最後のライブとなる「TOUR 1991 BIRTH ARENA TOUR 約束の日 THE DAY」の最終日に、20歳の私は親友のシモザワと魂を吸い取られたのだった。そして次のアルバムでの日本武道館のチケットを手にした頃、尾崎豊は71曲の歌を残し、この世を去ってしまった。

会場に入ると、どうしてもあの日の尾崎の姿を思い出してしまう。

Bリーグにはヤジも罵声も憤りも怒りもなく、私が日頃過ごしている埼玉スタジアムのゴール裏とはまったく対極のものだった。平日の夜でありながら8500人の人たちが集い、非常に楽しそうに観戦していた。令和のエンターテイメントをみる。

12月10日(火)お詫び

ちょっとした不手際があり、書店さんにお詫びにいく。すると「そんなこと気にしなくていいよ」と言われ、逆に「最近「本の雑誌」の売れ行きがいいので部数増やしてくれる?」と注文をいただいてしまった。

訪問するまでどんなに叱られるだろうかとドキドキしていたのだけれど、こういうこともあるのだった。頭を下げながら、営業のおもしろさを噛み締める。

夜、新人ベテラン編集の近藤と栗原康さんと飲む。栗原さんは東武伊勢崎線出身であり、浦和レッズのファンでもあり、また長渕剛を熱唱する人でもあるので、共通項の多い私は思わずはしゃいでしまう。

12月9日(月)達成感

  • 本の雑誌499号2025年1月号
  • 『本の雑誌499号2025年1月号』
    本の雑誌編集部
    本の雑誌社
    1,100円(税込)
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    HMV&BOOKS

週末実家介護を終え、春日部より出社。「本の雑誌」1月号が出来上がってきたので、早速定期購読者さん分の封入作業に勤しむ。1月号はぶ厚いので、ビニール製の袋に入れるのに苦労する。3時半に終了。早速駒込のBOOKS青いカバさんへ納品に上がる。

コロナ前は取次店さんへの見本出しという営業にとっては大事な仕事があり、「おすすめ文庫王国」の見本を出し終えると一年が終わった気がしたのだけれど、今やそれもなく、達成感を覚えることもない。千石駅から歩きながらそんなことを思い出すのだった。

12月8日(日)エンブレム

妻がきてくれたので、J1リーグ最終節を観に自転車を走らせ埼玉スタジアムへ向かう。本日は長年チームを支え続けてきてくれた興梠慎三と宇賀神友弥が引退するのだった。

私にとっては引退セレモニー以上に大事なことがあって、それは息子がインターンをしている姿を見られるチャンスなのだった。

寒風吹き荒ぶ中、40分ほどペダルを漕いで埼玉スタジアムにたどり着くと、息子は第4グラウンドで子供達とサッカーをしていた。

その胸には浦和レッズのエンブレムがあり、元レッズの選手たちとともに子供達にサッカーの楽しさを伝えているのだった。

たくさんの子供たちに囲まれた息子は派手にリアクションをとり、満面の笑みを浮かべボールを蹴っている。練習内容が変わるとキビキビと動き、ゴールの位置を変えたり、マーカーを置いたりしている。上手くいかず泣き出してしまった子には腰を屈め、同じ目線になって肩を抱いていた。

気づけば私の目には大量の涙があふれていた。たった2週間とはいえ夢を叶えた息子の姿がそこにあった。

12月7日(土)ボケ

朝、週末介護で実家へ。

コンサートに行く妻は来週分の薬を用意すると自宅にとんぼ返り、その後、母親と二人で過ごす。

母親は日付と曜日の感覚がだいぶあやしくなっており、ボケが一歩一歩進んでいることを感じる。まあ、私も今日が何日かわからないので大差ないのだけれど。

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