« 前のページ | 次のページ »

10月6日(火)

ときどき意味もなくずんずん歩く (幻冬舎文庫)
『ときどき意味もなくずんずん歩く (幻冬舎文庫)』
宮田 珠己
幻冬舎
576円(税込)
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> HonyaClub.com
>> エルパカBOOKS
スットコランド日記
『スットコランド日記』
宮田 珠己
本の雑誌社
1,728円(税込)
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> HonyaClub.com
>> エルパカBOOKS
 雨。娘の運動会はまたも延期。よって朝から弁当を食わされる。

 京王線を営業すると、啓文堂書店さんで「第3回おすすめ文庫大賞最終候補作フェア」が行われており、そこになんと『ときどき意味もなくずんずん』(幻冬舎文庫)が並んでいるではないか。

 この啓文堂書店さんの「おすすめ文庫大賞」は第1回の「床下仙人」原宏一、第2回の『TENGU』柴田哲孝(ともに祥伝社文庫)がベストセラーになっており、この手の書店イベントとしてはいちばん販売力があるのではなかろうか。

 おお、ついに、金がない、原稿が書けない、足が熱い、胃が痛いと嘆きまくっている宮田珠己さんに幸福が訪れるのではないか。そういえば先日のジュンク堂さんでのイベントで、宮田さんが家を買ったことを報告したら、内澤旬子さんから「家を買うと人生変わるよ。私、マンション買ったら『情熱大陸』の取材が入って、おかげで『世界屠畜紀行』が売れたし」と言われていたのだ。そのとき宮田さんは「おれ、情熱ないし」と苦笑いしていたのであるが、こんなところに人生が好転するきっかけがあったとは......。

 しかし、ほかの13点が強力なのだ、ってエッセイは宮田さんだけでないか。

我孫子武丸 『弥勒の掌』
百田尚樹 『永遠のゼロ』
香納諒一 『冬の砦』
橋本紡 『ひかりをすくう』
加藤実秋 『モップガール』
山田健 『遺言状のオイシイ罠』
小川洋子 『ミーナの行進』
黒崎視音 『六機の特殊』
沼田まほかる 『九月が永遠に続けば』
宮田珠己 『ときどき意味もなくずんずん歩く』
朱川湊人 『わくらば日記』
小泉喜美子 『弁護側の証人』
桜井鈴茂 『終わりまであとどれくらいだろう』
伊園旬 『ブレイクスルー・トライアル』

 ちなみにこのおすすめ文庫大賞は、啓文堂各店で10月30日までにいちばん売れたものが大賞に選ばれるのだ。頑張れ! 宮田珠己! ずんずん歩け!!!

★    ★    ★

 と興奮しつつ、営業を終え、会社に戻ると、浜田が不思議そうに私に話しかけてきた。

「今、書店さんから電話注文があったんですけど、『スットコランド日記』なんかありました?」
「えっ?」
「いや、『おそらく今注文が殺到していると思いますが、在庫ありますか?』って聞かれたんですよ。週末の新聞の書評に出たか、テレビで紹介でもされたのかと思って」

 テレビは知らないが、私は毎週日曜日、図書館で全新聞の書評欄をチェックしているが、『スットコランド日記』が書評に出ていた記憶はない。

 むむむ、これは宮田さんに何かあったのか。確か宮田さんは現在お遍路中で、今回は四国で一番高い山・石鎚山に登っているはずだから遭難にでもあってニュースに出ているとか、それとも白い粉でもやって逃走したりしているのではないか。どうなっているんだ、宮田珠己。

「で、注文殺到しているの?」
「いやふつうです」

« 前のページ | 次のページ »