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12月1日(水)

釣り愉し、弁当旨し
『釣り愉し、弁当旨し』
つげ 忠男
ワイズ出版
1,944円(税込)
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贋食物誌 (中公文庫)
『贋食物誌 (中公文庫)』
吉行 淳之介
中央公論新社
864円(税込)
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銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)
『銀河ヒッチハイク・ガイド (河出文庫)』
ダグラス・アダムス
河出書房新社
702円(税込)
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 給料が出、小遣いをもらったので、帰りにブックファースト新宿店へ。

『釣り愉し、弁当旨し』つげ忠男(ワイズ出版)
『贋食物誌』吉行淳之介(中公文庫)
『銀河ヒッチハイク・ガイド』ダグラス・アダムス(河出文庫)

 カバーはかけず、袋に詰めていただいたのだが、スリップはついたままだった。
 今はもうPOSが普及し、そういうお店が増えているのはわかっているのだが、なんだか落ち着かない。私が書店でアルバイトしていた頃、スリップは宝物だった。半面が報奨金だったせいもあるけれど、これが在庫管理、売上管理にものすごく役立っていたのだ。いやスリップがなければ何もわからなかったのだ。

 だから本が売れたら絶対抜く。抜き忘れたらレジで隣に立っていたベテランの社員がササッと手を出し抜いたりしていた。そしてそれをジャンルごとにわけ、毎日3時になるとバイトが二人、出版社アイウエオ順に並べ、ベストを割り出し、それを担当社員に渡しす。担当社員はベストだけでなく、すべて見、必要なものは注文数を書き込み、また私たちアルバイトに電話注文や短冊注文をさせていたのだ。

 アルバイトを始めてしばらくすると、スリップを見ると本の姿形、そしてあるべき場所が想像できるようになった。検索機なんてなくてもわかったし、在庫数だってすべて頭に入っていた。もちろん今と出版点数も人員の数も違うのだが......。

 先日、町の書店の集合体・ネット21の会合に参加し、栃木県小山市の進駸堂の店長Sさんにお会いしたら、しばらく捨てていたスリップを、また見るように指導しだしたと話していた。そうすると店員さんの商品知識や管理能力がみるみるアップしていったそうだ。理由はうまく説明できないけれど、やはり身体をつかう(手で触り、目で見)という作業は大切なのではないかと話していた。

 まあ、そうはいっても「これは宝物ですから」とレジで抜き渡すわけにもいかず、スリップは私の家の本棚に置かれ、どうしても捨てられずにいる。

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