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12月7日(火)

孤舟
『孤舟』
渡辺 淳一
集英社
1,728円(税込)
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王様ゲーム
『王様ゲーム』
金沢伸明
双葉社
1,296円(税込)
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 総武線を営業。
 書店さんの話を聞いていて思ったのは、年配向けの本と若年層向けの本は売れているということ。
 例えば、渡辺淳一『孤舟』(集英社)、例えば金沢信明『王様ゲーム』(双葉社)など。(というかこの『王様ゲーム』のamazonのレビューはすごいことになっている)本を読む層が限られているというよりは、これらの年代だけが、まだお財布のなかに自由に使えるお金があるということのようだ。

 夜、出版社が30社ほど集まる忘年会に参加。
 誰と話しても「電子書籍」の話になり、まさに2010年出版業界流行語大賞だ。

 しかしそういう話題はいつも「本はなくならない」という感じで締めくるられるのだが、そりゃあ当然というか、本はいつまでも残るだろう。今ある問題はそういうことではなくて、「本を作り売ることによる」産業が成り立つのか、どうかなのではないか。

 そもそも電子書籍が出てこなくてもほとんど成り立たなくなっていたんだけれど、電子書籍が登場し(ずっと前からあったけど)加速度的にそれが進む可能性が出てきたわけだ。

 私たちが、いや私が考えるべきことは、本をつくる最後のひとりになる覚悟を持つのか、あるいは出版業界をやめるのか、あるいはなんとなく似たような素材で商売ができそうな(たぶん全然別もの)電子書籍に向かうのかだと思う。

「本はなくならない」とかそういうところで考えることをやめ、安心したりするのが、一番危険なのではないか。

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