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1月18日(月)

 雪積もる。そこへびしゃびしゃと雨が降る。

 さすがに自転車に乗れず、歩いて駅へ向かうが、あっという間に靴のなかに水、というかシャーベット状の氷水が侵入してくる。とくに横断歩道が危険だ。下水溝に流れるはずの水が、くるぶしくらいまで溜まっている。

 そんなところに足をつけなければ駅へたどり着けない。足はじんじんし、だんだん熱くなってくる。痛い。苦しい。涙があふれる。

 そんなにしてまで会社にいく必要があるんだろうか。
 しかし私だけではなく、多くのサラリーマンが足をずぼずぼぼしゃぼしゃ埋めながら駅へ向かっている。登山家は「そこに山があるから山に登る」そうだが、日本のサラリーマンは「そこの会社があるから出社する」のだ。
 決して、仕事があるからではない。

 駿河台下の交差点が見えた時、私はエベレストの登頂を終え、突如悪天候に苦しめられた末、何度もビバークを繰り返し、九死に一生を得てベースキャンプにたどりついた気分だった。あと300メートル会社が遠かったら凍傷になっていたかもしれない。

 出社後、すぐに靴と靴下を脱ぎ、足にタオルを巻き付け、輪ゴムで止める。回復を祈る。サラリーマン人生でもっともつらい出社だった。

 助っ人学生に靴下を買ってきてもらい、夜、松戸の「鳥孝」にて来月より良文堂書店さんで開催される第15回ガチンコフェアの商品発表会に参加。楽しい飲み会だった。

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