4月12日(火)
- 『羊と鋼の森』
- 宮下 奈都
- 文藝春秋
- 1,620円(税込)
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第13回本屋大賞発表! 宮下奈都さんの『羊と鋼の森』(文藝春秋)です!
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これまで13回のなかで、もっとも開催の危ぶまれた本屋大賞も無事発表までこぎつける。
なぜ開催が危ぶまれたかというと、実行委員会の裏方中の裏方で、スケジュール管理から運営の事務作業までほとんど一手に引き受けていただいているSさんが、去年の夏から育児休暇をとっていたからだ。
これまで甘えてばかりだったので、ここは自立のチャンスと実行委員一同少しは頑張ってみたものの、やっぱりSさんがいなければ会議の開催もままならず、何度も何度も遠方よりSさんのお母さんに上京願い、子守を頼んで会議に来てもらうことになってしまった。
しかもSさんからの指示や確認がなければろくに動けず、そのSさんから届くメールはいつも深夜2時とか明け方4時に送信されたものだった。きっと赤ちゃんの泣き声で起きたSさんが、赤ちゃんを抱っこしながらパソコンに向かっていたのだろう。
去年の発表会では大きなお腹のSさんが、ゆっさゆっさと動きながら的確な指示を出してくれたのだが、今年の発表会ではお腹がぺったんこになったSさんが、獅子奮迅の働きをしていた。
会が終わる頃、赤ちゃんは寝ているよというメールが届き、「じゃあ一杯だけ」と言って、Sさんは二次会にやってきた。乾杯。
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本屋大賞は仕事じゃない。
ボランティア、というのともなんだか違う。
誰かのために、というよりは、自分のために、やっている。
いや、それもちょっと違う。
自分が愛する「本」のためにやっている。