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4月22日(金)

向田理髪店
『向田理髪店』
奥田 英朗
光文社
1,620円(税込)
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 通勤読書は、奥田英朗『向田理髪店』(光文社)。安定の面白さ。さすが小説界の名ボランチ、浦和レッズで言ったら阿部勇樹。

 かつては炭鉱の町として栄えた北海道苫沢町もいまや閉山、財政破綻し、子どもたちは成長すると札幌や仙台に出て行ってしまう。そんな田舎町の床屋さんを主人公に、田舎の良さと悪さを絶妙なエピソードで描きだす。その土地を愛し、仲間とともに過ごす暮らしに胸が熱くなる。

 今、もしって、読み終えたのは朝なんだけど、夜だったとして、一泊二日の出張を終え、駅弁と奮発したプレモルをキオスクで購入し、新幹線に乗車している間、スマホを見るだけじゃつまらんと本屋さんを覗いている人がいたとしたら、圧倒的にこの『向田理髪店』をおすすめする。

 出社。
 人生はいつも思いもしなかったことが起こる。起きてはならないことが起こる。3秒前に相手ゴール前にボールがあったはずなのに、3秒後に我らのゴールネットを揺らしていたりする。
 悪夢から一秒でも早く目を覚ましますようにと願うが、どうやら夢ではないらしい。

 夜、佐野元春ファンのIさんと新松戸Tで酒。つぶ貝の刺身が絶品で噛みしめるたびに今まで味わったことのない貝本来の味が滲み出てくる。教えていただいた日本酒「一歩己」と「鳳凰美田」を飲みながら、ひとり献杯。

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