小林エリコ選書フェア『この地獄を生きる(のだ)』ための20冊

生きづらい世の中ですし、社会はだれにでも等しく優しいわけではない。ちょこっと道を踏み外したらずいぶんと大変なおもいをすることになったりします。
いろいろな理由で人は心を病んでしまうことがあります。それは寒くなると風邪をひいてしまうのと同じように、なんらかの軋轢がそうさせる。それでも風邪の人は労わられ、心を病んだ人は精神病というレッテルを貼られて白い目で見られたりします。
『この地獄を生きるのだ うつ病、生活保護。死ねなかった私が「再生」するまで。』という本が刊行されます。著者の小林エリコさんはミニコミ「精神病新聞」の作者で、当店でもフリーペーパーを配布させていただいたりとご縁のある方です。
この本に綴られた小林さんの体験を特殊なものとかんがえることもできます。生活保護を受給するエピソードなどは興味深い他人事のように読めるかもしれない。でも本当にそうなんでしょうか。私は誰の身にも起こりうる出来事だとおもうのです。なぜなら私自身、心を病んだ経験を持つからです。
とは言えこの本って壮絶な話なはずなのにたんたんと明るくて、かなり笑えるんですよ。そして読後感は爽快ですらあります。小林エリコというタフな個性がしたたかに、もがき、生き延びる術をおしえてくれる。社会学的に興味深くて、カラッとした青春の書にもなっているとおもう。
小林さんはサブカルチャーに精通している方です。勝手ながら興味の範囲が自分に似ているような気がしておりました。本書のゲラを一読、即座に選書フェア依頼を決意いたしました。
そんなわけで、小林エリコ選書フェア『この地獄を生きる(のだ)』ための20冊。どうぞおたのしみに。

開催日時 2018年1月上旬より一か月。好評であれば延長。
会場 ブックスルーエ一階雑誌フェア台
問い合わせ先

0422(22)5677 ブックスルーエ担当花本