いまもっとも婆娑羅な出版社、百万年書房が放った新刊は新しい書き手による新しい日記文学。
『私の証明』
星野文月さんのある時期の日常が唐突に読者に差し出されます。
リアル。という言葉をどうも簡単に使ってしまうことには躊躇いがあるのですが、「書く」ことにより立ち上がってくるリアル、日々を生きることのリアルが迫ってくるようで、自分の日常をも浸食されるような稀有な読書体験を致しました。
星野さんは自分にとって圧倒的に単なる他人なはずなんですが、『私の証明』という本を読んだいまとなっては、存在感がすっかり濃くなってしまって、勝手に同時代をもがいて生きる他人とでもいうような感覚を抱くことになりました。
まあ早い話が星野文月という個性に大いに興味が湧いた、ということです。
多くの人がそのように感じるのではないかという書店員としての勘が働きました。
この人の書き手としての個性はどのように形成されたのでしょう。
『私の証明』を支えたいくつかの本をおしえていただけることになりました。
ブックフェア、【星野文月選『私の証明』を支える２０冊】を行います。
それぞれの本へのコメント、書下ろしエッセイを収録した百万年書房謹製フェア公式リーフレットも準備中です。
ご期待ください。