唯一無二のスタイルでなんともいえない読後感を提供しつづける漫画家。大橋裕之先生の原画展で令和二年のブックスルーエギャラリー展示は幕開けです。
制作期間７年以上、作画枚数40,000枚超、７１分をすべて手描き。驚異のアニメーション映画「音楽」がいよいよ公開となります。
大橋先生初期の代名詞的作品「音楽」はインディー出版のころから多くのファン、とくに音楽関係者の心をつかんでおりました。収録されたものが『音楽と漫画』として商業デビューとなります。その独特の作風に目の肥えた漫画ファンたちから熱狂をもってむかえられました。
その後の大橋先生の歩みは、みなさんの知るところとなります。一作ごとに読者は、自分って漫画を読んでこんな気持ちになったりするんだ...と新しい種類の呆然を得てきました。熱くてクールで、エモーショナルでとても冷静。泥くさいのにとても清潔。俗っぽいのに都会的。相反するはずの感情がひとまとめにドボッと落ちてくる。
何度読んでも新鮮で斬新。なのにフレンドリー。
長くなりましたが、デビューしてずいぶん経ったけど大橋先生の漫画ずっと超おもしろい、ってことです。
カンゼンという出版社があります。ゲームの攻略本で名を馳せた編集プロダクションが、「完全攻略本」！みたいな勢いで設立した会社だそうです。先ごろではサッカー本の良書をたくさん刊行していることでも知られます。（大橋先生の『ザ・サッカー』も！）
そのカンゼンから！『音楽　完全版』が出来！！（ブルボン小林さんの解説も素晴らしい！）
そんなカンゼンと大橋先生の全面的な協力のもと、音楽が鳴り響くような展示を準備しております。
どうぞおたのしみに！