全甲社、戦前の紙芝居を75年ぶりに復刻

文・写真=新文化編集部

全甲社、戦前の紙芝居を75年ぶりに復刻
「手袋をなくしたうさぎに話しかけるアリス」の場面

全甲社(東京・杉並区)はこのほど、昭和12年刊の紙芝居『ふしぎの国 アリス物語』(本体6800円、直販)の復刻版を発売した。

高橋洋子社長は戦前期の絵本・紙芝居の出版者・高橋五山作品の復刻活動に従事。戦前期の昭和10年代、ピーターラビットや不思議の国のアリス、赤ずきんなどの海外の名作を紙芝居に仕立て、出版活動を行っていた五山について「当時、言論統制を受け多くの出版社は軍国少年向け出版物を制作していた。五山の活動は、大変な困難の中で行われたと思う」と話す。高橋社長は、五山の孫の嫁にあたる。遺族として、五山の業績を後世に残したい思いから全甲社を立ち上げ、2011年に紙芝居『ベニスズメトウグヒス』『ピーター兎』『なかよしのおうち』を復刻した。

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