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今月の新刊採点
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【単行本班】2006年12月の課題図書
ラギッド・ガール―廃園の天使〈2〉
飛 浩隆(著)
【早川書房】
定価1680円(税込)
2006年10月
ISBN-4152087676
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
神田 宏
評価:★★★★★
精緻なプロット。過剰なまでに構築される仮想空間。立ち上がる哲学的命題。さらに、物語性があり読ませる。こんな、SFあったのか!というのが正直な感想。上質な哲学書を読むような知的冒険に溢れ、それでいて夢物語のようなファンタジーを味わえる。
<数値海岸>と呼ばれる、仮想のリゾート地。その電脳空間(イメージは『甲殻機動隊』ね)をめぐる5つの物語。仮想世界に住むAIの哀しみを描いた『夏の硝子体』。<数値海岸>開発の秘話を描く表題作。<数値海岸>がビジネスとして成り立ってゆく中で開発者の一人が500回もの死を自分に「上書き」して謎の死を遂げる様を描いた『クローゼット』。カジノになった鯨が大空を泳ぐ<数値海岸>のひとつの「区界」、ファンタジー溢れる「ズナームカ」とビジネスとしての<数値海岸>が終焉する様を交互に描く『魔術師』。植物が生い茂る「汎用樹の区界」を一人の少年の冒険譚として描く『蜘蛛の王』。豊富なイメージは、ソリッドかと思えばソフトへとめまぐるしく、全体を貫く「仮想」と「現実」の交換と侵犯が相俟って、頭がクラクラしながらも心地よい疲れを感じさせてくれます。全篇すべてこれツボ押されまくりの5編。『廃園の天使』シリーズ2弾ってことで、第3弾期待しています。
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磯部 智子
評価:★★★★★
前作『グラン・ヴァカンス』は謎だらけだった。視界に収まり切らないほどの大きさの甘美な地獄絵図は、ひいて全体を見ようとすると細部が解らなくなった。『ラギッド・ガール』では、その細部のいくつかが鮮明になる。そこで確認したものの中から、現実的な質感を選び出し全体像に嵌め込むと、いくらか見えてきたものと依然として掴みきれない謎として残るものがある。AI=人工知能たちが住む仮想リゾートに、人間がゲストとして訪れなくなって1000年、取り残されたAIたちが同じ夏の一日を繰り返す中〈蜘蛛〉の大群が突然襲い掛かる。その「グラン・ヴァカンス」の成り立ち、突然人間の訪問が途絶えた理由、〈蜘蛛〉の正体などが、「情報的似姿」「硝視体」という言葉と共に少しずつ解ってくる。5編の短編は、肉体と意識への揺すぶりをかけ、人間の残酷さを描きながら、ひたすら美であることを忘れない。苦しみ続けるAIに感情移入し、彼らに映し出された人間の姿に愕然としながら物語の広がりに目を奪われているうち、私の内面が深くえぐられ、グラン・ヴァカンスがしっかりと根付いている事に気付く。仮想からの逆襲であり乗っ取り、脳内万能感に対する非常に危険で魅力的な反論として読んだが、読み返すともっと多くの発見があるように思える。
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林 あゆ美
評価:★★★
日本でも年内に上陸するといわれているセカンドライフ(多人数同時参加型オンラインゲーム)。ゲームとはいえ、精密にできたヴァーチャル空間で人と人とのコミュニケーションも重視し、社会生活シミュレーションを味わえる。つい最近その存在を知り、さっそく試してみた(英語版)ところ、自分の分身として作成したアバターが作られた名前と体であちこち移動できるのがリアルでまた不思議な気持ちにもなった。
本書も現実と仮想をコンピュータ上ではなく小説上で展開していく。仮想リゾート〈数値海岸(コスタ・デル・ヌメロ)〉を軸に、開発にいたるまでのストーリーや、リゾート内での話など5編が収録されている。前作の『グラン・ヴァカンス』とリンクされている話もあるが、どちらから読んでも楽しめると思う。私は本作から読み、それから『グラン・ヴァカンス』をおもしろく堪能した。
タイトルにもなっている、「ラギッド・ガール」はとても強い印象を残す。仮想世界ではなく現実側から書かれているのだが、その境界が読んでいるうちにあいまいになってくる。仮想空間をつくった技術をもつ、外見に特別な気持ちをもたせる巨体の女性、阿形渓が、物語のあちこちに登場していなくても存在感をみせるのだ。そのせいか、どこか別の世界も同時に高みから眺めているような浮遊感がつねにまとわりついていた。
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