ラミレスは「アイ~ン」のために綿密な準備をしていた?~『ラミ流』

ラミ流―How to succeed and be positive
『ラミ流―How to succeed and be positive』
アレックス ラミレス
中央公論新社
1,470円(税込)
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 プロ野球チーム・ジャイアンツの4番打者として2008年はMVPの活躍でセ・リーグ優勝に貢献。2009年もMVPこそ逃したものの打率.322(リーグ1位)、31本塁打(同3位)、103打点(同4位)の大活躍でチームを日本一に導いた「ラミちゃん」ことアレックス・ラミレス選手。

 多くの外国人選手が結果を残せず、時には1年足らずで日本を去る中、安定した活躍を続け、迎えるシーズンはヤクルト時代から数えて今季で10年目。その活躍の秘訣は圧倒的なパワーにあるかと思いきや、実はメンタリティーにあるのだそうです。

 「僕は試合に対して70パーセント、メンタル面の準備をしておく。残りの30パーセントはフィジカル面。そうして打席に立つと、自分が相手よりも一歩先んじているような有利な気分で、投球を待つことができる」とラミちゃんは自著『ラミ流』の中で明かしています。多くの日本人選手は、準備といえばとにかく練習をすることと考えがちだが、ラミちゃんの準備は、どんな場面でも集中を保てるように徹底的に対戦相手を研究することなのだとか。

 持ち前の陽気な性格で「アイ~ン」「ゲッツ!」「ラ・ミ・茶!」といったパフォーマンスを披露し、お調子者で細かいことなど気にしなさそうなイメージのラミちゃん。しかしながら、ラミレスの著書を読むと、その活躍ぶりに納得せざるをえない、驚くほど綿密な準備をして試合に臨んでいる一面が見えてきます。

 野球に限らず、あらゆるスポーツで「技術は世界のトップレベルだが、メンタルが足りない」と言われ続けている日本人。外国人選手を前にしても、有利な気分で試合に臨むメンタリティーを作ることが、世界の舞台で活躍するためには必要なのかもしれません。

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