「ギブミーペン」の本当の意味とは~『笑える! 世界の七癖 エピソード集』
- 『笑える! 世界の七癖 エピソード集 (PHP新書)』
- 岡崎 大五
- PHP研究所
- 714円(税込)
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1月3日、年末年始を海外で過ごした人の帰国がピークを迎えました。旅行会社などによると、不景気ながら昨年に比べて航空機の燃油サーチャージ(特別付加運賃)が下がり、円高も後押ししたことで、海外旅行は少し回復したそうです。
ところで、発展途上国を旅行した際、「ギブミーペン」と言われた経験はありませんか?もしくは、「『ギブミーペン』と言われるから、ペンをたくさん持って行った方がいい」なんて話を聞いたこととか。
そもそも、なぜボールペンを欲しがるのでしょうか。ボールペンじゃなくて洋服でも靴でも食べ物でも、とにかくもっと実用性のあるものを欲しがっても良いのでは? そう疑問を抱いた作家の岡崎大五さんはあることを試したそうです。
ケニアでのサファリ旅行でのこと。観光客を見つけるとマサイ族の子どもたちが「ギブミーペン」と近づいてきました。しかし、そこに住んでいるマサイ族たちは民族衣装は着ているものの、腕時計をはめたり、スニーカーを履いていたり、中には携帯電話を持っている人もいて、伝統的な生活を送っているようで、物質文明にもどっぷり浸っており、なおかつボールペンが買えないほど貧しくは見えなかったそう。そこで岡崎さんは、ペンではなく、日本から持ってきたキャンディーをプレゼントすると、子どもたちは喜んで帰っていきました。さらに、後から来た子どもにはチョコレートを渡すと、その子もペンでないにも関わらず喜んで帰っていったそうです。
それから岡崎さんは世界各地で「ギブミーペン」と言ってくる人たちに対してペン以外の物をプレゼントした結果、ペンでなくても100%大丈夫。「ペン」とは彼らにとって「何か」という意味で「ペンをちょうだい」ではなく、「何かちょうだい」と言っているということを突き止めました。
岡崎さん曰く、「ギブミーペン」は挨拶と同じで、めずらしい外国人旅行者と楽しい時間を過ごすきっかけ作りと指摘しています。「貧しいから何か下さい」というわけではなかったのです。
このように、世界83ヶ国を旅してきた岡崎さんは、旅行を通していろいろな国の新事実を発見したそうです。例えば、「実は謝るアメリカ人」「簡単にぼられる中国人」「ロシア人は二重人格」「歩かないタイ人」「猫舌なフランス人」「ブータンはフリーセックスの国」「インドで出家するとモテモテ」「賄賂が当たり前のトルクメニスタン」「早足シンガポール」などなど。
これらの著者が体験した抱腹絶倒のエピソードをまとめた『笑える! 世界の七癖 エピソード集』を読むと、まだまだ知らない世界の国々の真の姿を知ることができます。この本を読んで、次の海外旅行の行き先を決めるのもおもしろいかもしれません。円高の今こそ、チャンスです。