小沢一郎氏の気になる評価は?~『日本を貶めた10人の売国政治家 』

日本を貶めた10人の売国政治家 (幻冬舎新書)
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 小林よしのり氏が昨年まとめた『日本を貶めた10人の売国政治家』は、20人の識者にアンケートを取り、10人の「売国政治家」をランク付けし、一人ひとりにその識者による詳しい解説を付けています。その20人の中で、小沢一郎氏を1位に選んだ人が3人いました。

 ドイツ文学者で電気通信大学名誉教授の西尾幹二さんは言います。「小沢一郎は、38年つづいた自民党単独政権をこわし細川内閣をつくった仕掛人ですが、イデオロギーの異なる旧社会党を抱きこむという禁じ手を初めて使い、自民党を割った政界再編も旧竹下派内部の私的怨念に発していたので、自民党と民主党のイデオロギー上のくっきりした対立、例えば憲法改正是非で与野党が分かれるという理想の形態にならないなど、今の政界を百年の停滞の泥沼に追い込んだ張本人です」

 文芸評論家・富岡幸一郎さんは、「田中政治の最悪の継承者として、日本の政治をひたすら権力奪取の"政局"政治とした国家理念なき者」と評しています。

 哲学者で埼玉大学教授の長谷川三千子さんは、「さんざっぱら気を持たせるようなことを言っておいて、やっぱり結局あいつはダメ男、といふのがダメ男の一つの典型なのですが、小沢一郎、アンタがその筆頭だ!」と述べています。

 長谷川さんの理由は、まるで個人的な恨みでもあったかのようですが、その小沢一郎氏が1月23日の午後、政治資金規正法違反事件で東京地検特捜部の参考人聴取を受けました。夜には本人による記者会見を開き、「裏献金は一切もらっていない」と身の潔白をあらためて主張。秘書、元秘書あわせて3人が逮捕され、小沢氏本人へ捜査の手が伸びたことは分かるのですが、今回の記者会見でも何が真相なのかやはりはっきりせず、説明責任を果たしたのかどうかは意見が分かれるところです。

 そんな小沢さんですが、日本を貶めた10人の売国政治家として、この本の中では4位にランクインされています。ここからさらに上位に上がるのか、それとも名誉を回復することができるのか。今しばらくは、小沢一郎氏から目が離せません。

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