本屋を見れば、その国の将来がわかる~『知らないと恥をかく世界の大問題』

知らないと恥をかく世界の大問題 (角川SSC新書)
『知らないと恥をかく世界の大問題 (角川SSC新書)』
池上 彰
角川SSコミュニケーションズ
798円(税込)
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> HonyaClub.com
>> エルパカBOOKS

 「次は中国がくる!!」「インドがくる!!」とよく聞きますよね。両国ともこの100年に1度の不況下において、成長率も大きな下降線をたどることなく、特に中国は1月に「中国経済は成長回復を実現した」と評価する記事を中国国営新華社通信が配信。09年の経済成長率目標「8%前後」もほぼ確実になったそうです。

 でもどうせなら「次はこの国がくる!」と自分で予想してみたいもの。では、どのようにして見極めたら良いのでしょうか。

 ひとつの見極め方として「街に大きな本屋があり、そこに若者が大勢いるかどうか」に注目するとわかると、テレビでお馴染みのジャーナリスト・池上彰さんは指摘します。池上さんがそのような持論をもったのは約9年前、ベトナム、ラオス、タイなどの東南アジアを取材で回った時のこと。ベトナムのホーチミン市には大きな書店があり、若者たちが大勢本を探していたのだそう。他の東南アジアの国の人々が昼寝をしている夏の真っ昼間、土産物店で店番をしているベトナム人の若者が一生懸命読書をしている光景を目にして「この国は発展するだろうな」と感じたというのです。

 その通り、ベトナムは経済危機からの立ち直りも早く、2009年の国内総生産が前年に比べ5.32%増加したと発表。経済成長率も8%を超える見通しに。またこの不況下において、車の販売台数が過去最多と報告されています。

 「その国の先を読むには『人材』『教育』面に目を向けること」と池上氏。この言葉、日本に当てはめるとどうでしょう? 若者の「学力低下」「活字離れ」が耳にたこができるほど言われています。しかし、今年は読書の活性化を目指す「国民読書年」。2010年をきっかけに日本経済が復活するかどうか、注目してみるのもおもしろいかもしれません。

« 前のページ | 次のページ »

使えるビジネスつぶやき

「海軍が軍艦を造るには3年かかる。しかし、新しい伝統を築くには300年かかるだろう」アンドリュー・カニンガム