カリスマ経営者のプロ論とは?~『本音の飲食店』

本音の飲食店
『本音の飲食店』
稲本健一著
柴田書店
1,575円(税込)
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 「プロフェッショナルとは、すべてのことが仕事につながっている人」だと、世界で独自のセンスに溢れた飲食店を展開する『株式会社ゼットン』の稲本健一氏は言います。稲本氏は「店づくりは街づくり」の理念のもと、名古屋、東京、横浜、ハワイ、シドニーなどに既製の概念に因われない個性的な店舗を展開しています。

 稲本氏は、食事をしているときでも、人と話しているときでも、極端に言えば寝ているときや風呂に入っているときでも、24時間のすべてを仕事に繋げられる人こそが「本物のプロフェッショナル」だと言うのです。

 「僕は、自分は未完成だと思っている人ほどプロフェッショナルを感じます。完成していると思う人は『僕はすでにプロだから大丈夫』と、さらなる成長に淡白で、これまでの自分を変えようとしない。それは本当のプロではない。未完成の人は、いつも上を目指そうと努力しています。プロは常に自分に納得していないもの。『いつも自分に納得していない人』がプロフェッショナルではないだろうか。だから人一倍考えて、人一倍努力するのです」。

 つまり、進歩をやめずに努力を続ける人こそ「プロフェッショナル」ということ。しかし、常に努力を続ける人が、「自分は成功した。もう十分」という実感を持つことはまれ。だから満足することがなく、絶えず上を目指そうとします。稲本氏によれば、その姿勢こそが「プロフェッショナル」と呼ぶに値するとか。

 もっとも、それほど向上心に溢れた人にとっては、もはや自分が何と呼ばれようと関係無いのかも知れませんが。

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