3月6日(金)
- 『猫を抱いて象と泳ぐ』
- 小川 洋子
- 文藝春秋
- 1,831円(税込)
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私は本屋大賞の集計で四苦八苦しているのに、書店さんではもう来年の本屋大賞の話題が出たりする。しかしこれだよね!と指差された『猫を抱いて象と泳ぐ』小川洋子(文藝春秋)には、まったく異存がない。私にとっても今、現在2009年ベスト1の小説だ。
生まれたとき上下の唇が癒着していた少年が、あるきっかけでチェスを覚え、のめり込んでいく。チェスは彼、リトル・アリョーヒンにとって全世界であり、そもそもチェスは世界の象徴なのである。大きくなることを恐れ、小さいまま生きていくリトル・アリョーヒン。
ああ、まったくうまくストーリーを紹介できないが、これほどまでに美しい小説を私は知らない。そして小説に込められたメッセージの深さ。私は、これからの人生で何度もこの『猫を抱いて象と泳ぐ』を読み返すことだろう。
問題はこんなに素晴らしい小説なのに「本の雑誌」の新刊めったくたガイドで、いまだ取り上げられていないことだ。もしこれを取り上げないまま過ごしたらそれは書評誌の恥だと思う。誰も紹介しないなら私が編集後記を乗っ取って紹介しよう。
営業の合間に新幹線を予約に行く。
来週ついに尾道だ。
生まれたとき上下の唇が癒着していた少年が、あるきっかけでチェスを覚え、のめり込んでいく。チェスは彼、リトル・アリョーヒンにとって全世界であり、そもそもチェスは世界の象徴なのである。大きくなることを恐れ、小さいまま生きていくリトル・アリョーヒン。
ああ、まったくうまくストーリーを紹介できないが、これほどまでに美しい小説を私は知らない。そして小説に込められたメッセージの深さ。私は、これからの人生で何度もこの『猫を抱いて象と泳ぐ』を読み返すことだろう。
問題はこんなに素晴らしい小説なのに「本の雑誌」の新刊めったくたガイドで、いまだ取り上げられていないことだ。もしこれを取り上げないまま過ごしたらそれは書評誌の恥だと思う。誰も紹介しないなら私が編集後記を乗っ取って紹介しよう。
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来週ついに尾道だ。