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3月14日(土) 炎のサッカー日誌2009.01

 世間では3月14日をホワイト・デーというそうだが、チョコを貰わなかった私には当然そんなもんは関係なく、それどころか浦和レッズのホーム開幕戦であるから白ではなく赤、レッズ・デーなのであった。予定ではやんでいるはずの雨の降るなか自転車を飛ばし埼玉スタジアムへ。

 そこで起きたショーはレッズ・デーではなく、新生・浦和レッズのバースデーであった。
 まだ4バックの守り方、両サイドバックの運動量、縦へのボールの出し方など発展途上であることは間違いないが、それでもこの日浦和レッズが魅せたサッカーは、今までの浦和レッズとはまったく違う、ヨーロッパ・スタンダードなフットボールであった。私には一瞬浦和レッズが、プレミアリーグのアーセナルに見えた。

 サッカーチームを応援するというのは、もちろん勝利が第一の目的であるのだが、当然その次はサッカーの質が問題になる。勝ってもつまらないサッカーをすれば批判されることもあるし、負けても楽しいサッカーをすればオランダのように評価されることもある。得てしてそれはイコールにならないことが多いのだが、もしかするとこの浦和レッズは夢のようなチームになるような気がする。いや希望が持てるのだ。

 だからこそ3対1で勝利するとすぐ次の試合が見たくなった。こんな気分になるのはいつ以来だろうか。

 それよりもこの日の埼玉スタジアムで、もうひとつ大きな出来事があった。
 78分に交代出場した彼は、闘莉王からボールを貰うと絶妙なコントロールでパスをした。
 その瞬間、私の胸の真ん中、ハートな部分がドキンとした。その後、素晴らしい運動量で敵を追い時には奪取し、そして坪井のオーバラップからパスをもらうと、敵ディフェンダーに囲まれながら、その前に位置を確認していたポンテの絶妙なパスを送った。
 私のハートな部分は信じられないくらい激しく脈打ち出した。

 そうなのだ、恋をしてしまったのだ。
 相手は浦和レッズの背番号34番、山田直輝。山田は山田でも暢久ではないぞ。18歳の山田だ。彼の姿が今私がもっとも愛しているサッカー選手のひとり、セスク・ファブレガスを彷彿させた。

 早く彼が見たい。でも次はアウェーだ。妻よ、私と直輝の恋路を邪魔するな。

 

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