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5月24日(日)  炎のサッカー日誌

 試合は夕方4時スタートなのであるが、大宮アルディージャがホームの埼玉スタジアム開催は前日抽選がないので、試合開始6時間前に向かわなければならない。そこでくじを引いて、入る順番を決めるのだ。その列で雨に濡れながら仲間達と缶ビールを飲んでいると、試合が夜でも朝から並んでいた駒場スタジアム時代が思い出される。

 あの頃、サッカーを見るのは肉体的にも時間的にも一日仕事だった。気付いたらビールを5、6本飲み、その後は紙パックの安ワインを飲んで道路にぶっ倒れていた。それでも試合は始まらず、延々と駒場スタジアムのサブグランドで過ごしたのであった。

 今朝、埼玉スタジアムに向かおうとすると、妻からマスクを渡された。その手には赤いマジックもあり、「白じゃ嫌でしょう? 赤く塗っていきなよ」と妙に気を利かせてくれるのであった。妻よ、マスクをマジックで塗ったら確かに赤くなるけど、私はシンナー臭でレレレのおじさん化してしまうだろう。「ハレハレハレフワハー♪」

 試合開始間際まで白マスクをしていたのであるが、よく考えてみるとゴール裏は全員ピッチを向いているわけで、私にツバがかかるとしたら後ろに座るぶっ殺すぞ!社長のツバであるけれど、それだって後頭部や背中だ。

 そして私がツバを飛ばす相手は、私の前にいる野次ばかり飛ばすおっさんで、特にエジミウソンがボールを持つと「17番!」と首をふりエジラー化し、高原が転がると「バカ」と叫んでタカラー化するので非常に腹立たしく、こういう奴には積極的にツバを飛ばしてやろうと思ったので、マスクを外す。というかマスクをしながらコールをすると、マスクがぶるぶる震えて、口の周りがくすぐったいのである。

 試合は、数日前に日本代表監督の岡田武史が「スイッチを入れられる選手」と日本代表に選出した山田直輝が、イエローカードの累積で試合に出られなかったため、我が浦和レッズは誰もスイッチが入れられず、まるでセクス・ファブレガスのいないアーセナルのようであった。

 誰もシュートを打たないなら、私が打つぞ。

 1対1 対大宮アルディージャ

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