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6月10日(木)

芭蕉―「かるみ」の境地へ (中公新書)
『芭蕉―「かるみ」の境地へ (中公新書)』
田中 善信
中央公論新社
972円(税込)
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 10キロ走ってから出社。
 私のふくらはぎは、「ししゃも」から「ケンタッキーフライドチキン」くらいに成長している。
 そのうち何か生まれるだろう。
 
 リブロ渋谷店を訪問すると『「悪」と戦う』(河出書房新車)が好評の、高橋源一郎さんの「著名人の本棚」が開催されていた。外国文学などとともに、私も大好きな『シズコさん』佐野洋子(新潮社)や『滝山コミューン1974』原武史(講談社)などが並んでいた。またそれだけではなく、リブロ版「ゼロ年代の50冊」というフェアも開催されており、こちらは2000年〜2009年の10年間に刊行された本を対象に、リブロの店員さんが好きな本を推薦しているようだ。1位『〈民主〉と〈愛国〉』小熊英二(新曜社)に納得。

 次に訪問した青山ブックセンター本店では「本の島」フェアが相変わらず奥行き深い棚になっていて何度見ても飽きない。担当のTさんに話を伺うと近々中身を入れ替えるそうで楽しみだ。それにしてもバックヤードに置かれていた「オン・ザ・道路」というフェア看板は、いったいどんなフェアが始まるのだろうか。

 お店を出たところで、ちょうどバスが来たので、青山学院前から乗り込み、六本木へ。
 こちらの青山ブックセンター六本木店では、田口俊樹さん、鴻巣友季子さん、堀江敏幸さんの翻訳家3氏の推薦本が並ぶ本棚が展開されており、それぞれここでしか読めない推薦文も掲げられている。これをこのまま雑誌に掲載したいくらいである。

 ある1点の本を売り出す「仕掛け」販売が注目を集めがちだが、このように独自に面白いフェアを開催している書店さんがたくさんあって、営業しながらそれらを見るのがとても楽しい。新刊、既刊問わず「こんな本があったのか」という発見の喜びこそが、リアル書店の最大の魅力だろう。それにしてもここ最近の青山ブックセンター本店の勢いは何だろうか。

 帰宅時、ブックファースト新宿店に寄って、「本の雑誌」で渡辺十絲子さんが紹介されていた『芭蕉 「かるみ」の境地へ』田中善信(中央公論新書)ほかを購入。好きな本を買ってお店を出るときの、この喜びもまたリアル書店のなにごとにも変えられない喜びである。

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