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1月20日(木)

やめないよ (新潮新書)
『やめないよ (新潮新書)』
三浦知良
新潮社
799円(税込)
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 通勤読書は、唯一他チームながら私のヒーローである、カズことを三浦知良の『やめないよ』(新潮新書)。日本経済新聞に2006年から2010年にかけて連載されていたコラムをまとめた本なのだが、この本を読むとカズにとってサッカーはもはや単に仕事でもスポーツでもなく、人生そのものになっていることがわかる。それは精神的な観点からだけではなく、カズはこう漏らしているのだ。

「ときどき僕は思う。本当に身体がボロボロにになるということは、どういうことなのだろう、と。身体がボロボロになったら、サッカーをやめるどころか、人生をやめなきゃならなくなるんじゃないかとお、と思って怖くなるときもある。過酷なことをやってきたツケとして、普通の生活になった途端にある種のリバウンドが起きて歩くことさえできなくなるんじゃないかという恐怖。筋肉に覆われていた関節が、筋肉が落ちて、持たなくなるんじゃないかという恐怖──」

 『だいたい四国八十八ヶ所』も無事搬入となり、バリバリと営業。
 オープンして約3ヶ月の吉祥寺のJ書店を訪問し、Mさんと棚の話。

「ジャンル事に棚に本を詰めていくんですけど、やっぱり目線の高さ(ゴールデンライン)にそのジャンルの一番売れ筋の本を置きたいんですよ。例えばうちの場合、外国文学は各国ごとの年代順に並んでいるんですけど、ドイツならカフカやヘッセをそこに置きたい。年代順に置くと一番したにいっちゃったりするのを崩しつつ、棚を順々に直していっているんですけど、直したところから売れて行くのがうれしいですね」

 棚作りの工夫というのはいくらでもあるのだな。

「それとやっぱり一番左端。人間って不思議と左から見るものらしく、そこに一番の売れ筋や分かりやすい本を置いています」

 私が本屋さんで本を買うとき、一番大切なのは最初の1冊だったりする。
 1冊パッと輝く本が見つかったときは、「本を買おう」という欲求が高まり、次から次へと面白そうな本が見つかるのだが、1冊目がうまく見つからないと何も買わずに出てくる時が多い。おそらくMさんのように様々な工夫をされている棚ほど、その1冊目の本が見つかりやすいのだろう。

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