7月15日(金)
- 『そうだ、京都に住もう。』
- 永江 朗
- 京阪神Lマガジン
- 1,512円(税込)
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- 『狭くて小さいたのしい家』
- 永江 朗,アトリエ・ワン
- 原書房
- 1,944円(税込)
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- 『ひとり飲む、京都』
- 太田 和彦
- マガジンハウス
- 1,620円(税込)
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通勤読書は、永江朗さんの『そうだ、京都に住もう』(京阪神エルマガジン社)。
茶室を持ちたいと思ったところから、一ヶ月のうち10日を京都に住もうと考えた永江朗さん。いろんな人に出会い町家を手に入れ、リノベーションしていく姿を追った永江版ビフォアーアフターか。永江さんの建築ものといえば、自宅(ガエハウス)の建築を描いた『狭くて小さいたのしい家』(原書房)もあるのだが、こちらの京都版は、食事や散歩のことも書かれており、京都のガイドブックにもなっているのがミソか。
そういえば太田和彦さんも『ひとり飲む、京都』(マガジンハウス)で、夏と冬、京都に一週間泊まって、居酒屋やバーを堪能する本を出している。京都はそんな魅力的な場所なのだろうか。
私は、別に京都でなく、浦和の駅前に部屋を借りたい。
★ ★ ★
大竹聡さんの『下町酒場ぶらりぶらり』のゲラが出来てきたので連絡をとると、「おお、今日はこれから雑誌『酒とつまみ』の搬入日なのよ」と言うではないか。季刊を目指しておきながらよもやここ数号は年1冊しかでない有様で、その搬入日にたまたま電話をかけてしまうというのは365分の1の確率だ。スロットマシーンなら「777」である。
というわけで縁を大事にするのが営業マンということで、急遽、浅草橋の酒つまビルに搬入を手伝いに行く。扉を開けると発行人兼編集長の渡邉さんとカメラマンの斉藤さん、そして助っ人らしいおじさん1名、遅れてやってきたのが大竹さんで、どうも私を含めて5名で「酒とつまみ」14号を搬入するらしい。
35度を越える猛暑のなか、渡邉さんは車が止まるを音がすると「あっ来たかな?」と何度も4階の窓を開け下を覗くが、「酒とつまみ」14号はなかなか届かなかった。じりじりとする編集部であるが、ええーいこのたった30分ぐらい待つのがどうしたもんかい。あんたらの雑誌を何ヶ月も待っている読者に比べたらなんでもないやい!と叫びそうになったところに、トラックが到着。
するともっと嬉しそうにするかと思っていた酒つまメンバーは突然暗い顔になり、まるでどこかに島に島流しにされる囚人のような顔をして階下に降りていくのであった。その背後について階段を降りていって気づいたのだが、その階段は狭くて急な上、なんと道路から3回まで数千冊の「酒とつまみ」を運びこむというではないか。本の雑誌社の9段の階段どころではない。50段以上の階段である。しかも直雑誌なので、刷った分のほとんどがここに納品されてくるわけだ。「取次店を通しなさい!」思わず私は階段を降りながら叫んでいた。
その搬入はまさに地獄で、私はもくもくとトラックから3階まで運んでいたのだが、酒つまメンバーは途中からなぜか3階の倉庫から出て来なくなり、そこで運びまれた「酒とつまみ」をいかにもきれいに積み直しているフリをしながら、クーラーをつけて休んでいるのであった。sしかも最終的にはあまりに適当に積んでいるため数が数えられず、製本所の人に嫌な顔をされているではないか。
結局、「酒とつまみ」14号の70%は私と助っ人のおじさんふたりで運んだと言っても過言、どころか正解である。
まあそうはいっても無事にできたのは嬉しいことであり、よかったよかったと編集部に持ってき、本の雑誌社であればここから助っ人学生をつかって一気に定期購読者の封入作業が始まったり、書店さんに直納に向かうのだが、一向にその気配がない。
「このページ最高だね」「斉藤さんやっぱり面白いよ」なんて言っているだけで、まったく何も進まない。しばらく経って、発行人の渡邉さんが「じゃあそろそろやりますか」というので、てっきり作業が始まるのかと思ったら、冷蔵庫から缶ビールを取り出し、一同で乾杯するのであった。
それでその後どうしたか?
なんと何もせず、銀座の立ち飲みバー「ロックフィッシュ」に向かい、しこたま飲んだのである。
それでおしまい。大丈夫なんだろうか、この人たち。
茶室を持ちたいと思ったところから、一ヶ月のうち10日を京都に住もうと考えた永江朗さん。いろんな人に出会い町家を手に入れ、リノベーションしていく姿を追った永江版ビフォアーアフターか。永江さんの建築ものといえば、自宅(ガエハウス)の建築を描いた『狭くて小さいたのしい家』(原書房)もあるのだが、こちらの京都版は、食事や散歩のことも書かれており、京都のガイドブックにもなっているのがミソか。
そういえば太田和彦さんも『ひとり飲む、京都』(マガジンハウス)で、夏と冬、京都に一週間泊まって、居酒屋やバーを堪能する本を出している。京都はそんな魅力的な場所なのだろうか。
私は、別に京都でなく、浦和の駅前に部屋を借りたい。
★ ★ ★
大竹聡さんの『下町酒場ぶらりぶらり』のゲラが出来てきたので連絡をとると、「おお、今日はこれから雑誌『酒とつまみ』の搬入日なのよ」と言うではないか。季刊を目指しておきながらよもやここ数号は年1冊しかでない有様で、その搬入日にたまたま電話をかけてしまうというのは365分の1の確率だ。スロットマシーンなら「777」である。
というわけで縁を大事にするのが営業マンということで、急遽、浅草橋の酒つまビルに搬入を手伝いに行く。扉を開けると発行人兼編集長の渡邉さんとカメラマンの斉藤さん、そして助っ人らしいおじさん1名、遅れてやってきたのが大竹さんで、どうも私を含めて5名で「酒とつまみ」14号を搬入するらしい。
35度を越える猛暑のなか、渡邉さんは車が止まるを音がすると「あっ来たかな?」と何度も4階の窓を開け下を覗くが、「酒とつまみ」14号はなかなか届かなかった。じりじりとする編集部であるが、ええーいこのたった30分ぐらい待つのがどうしたもんかい。あんたらの雑誌を何ヶ月も待っている読者に比べたらなんでもないやい!と叫びそうになったところに、トラックが到着。
するともっと嬉しそうにするかと思っていた酒つまメンバーは突然暗い顔になり、まるでどこかに島に島流しにされる囚人のような顔をして階下に降りていくのであった。その背後について階段を降りていって気づいたのだが、その階段は狭くて急な上、なんと道路から3回まで数千冊の「酒とつまみ」を運びこむというではないか。本の雑誌社の9段の階段どころではない。50段以上の階段である。しかも直雑誌なので、刷った分のほとんどがここに納品されてくるわけだ。「取次店を通しなさい!」思わず私は階段を降りながら叫んでいた。
その搬入はまさに地獄で、私はもくもくとトラックから3階まで運んでいたのだが、酒つまメンバーは途中からなぜか3階の倉庫から出て来なくなり、そこで運びまれた「酒とつまみ」をいかにもきれいに積み直しているフリをしながら、クーラーをつけて休んでいるのであった。sしかも最終的にはあまりに適当に積んでいるため数が数えられず、製本所の人に嫌な顔をされているではないか。
結局、「酒とつまみ」14号の70%は私と助っ人のおじさんふたりで運んだと言っても過言、どころか正解である。
まあそうはいっても無事にできたのは嬉しいことであり、よかったよかったと編集部に持ってき、本の雑誌社であればここから助っ人学生をつかって一気に定期購読者の封入作業が始まったり、書店さんに直納に向かうのだが、一向にその気配がない。
「このページ最高だね」「斉藤さんやっぱり面白いよ」なんて言っているだけで、まったく何も進まない。しばらく経って、発行人の渡邉さんが「じゃあそろそろやりますか」というので、てっきり作業が始まるのかと思ったら、冷蔵庫から缶ビールを取り出し、一同で乾杯するのであった。
それでその後どうしたか?
なんと何もせず、銀座の立ち飲みバー「ロックフィッシュ」に向かい、しこたま飲んだのである。
それでおしまい。大丈夫なんだろうか、この人たち。