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6月2日(土)

 ワールド・ベースボール・クラシックでイチローは決勝戦で劇的タイムリーヒットを放ち、復興支援チャリティーマッチではキング・カズこと三浦知良はゴールを決め、ワールドカップ女子決勝戦では延長後半に同点ゴールを澤穂希が決めた。スーパースターのスーパースターたる所以は、大事なところで想像を超える結果を残す、いわゆる"もってる"人間なのであるけれど、本の雑誌社にもまさに"もってる"スーパースターがいたのである。

 それは19年間慣れ親しんだ街・笹塚から神保町へ本の雑誌社が引越す当日の朝のことであった。
 スーパースターは、自宅の駐車場で車に積んであった荷物、そう、それは前の晩に笹塚のドラッグストアで買い溜めした「バスマジックリン」12本だったのだが、それを持ち上げた瞬間、文字通り腰が「ぎっくり」と悲鳴を上げたのであった。

 「あわわわわ」と腰を抑え座り込んだスーパースターはそのまま立ち上がることが出来ず、運良く手元にあった携帯電話を取り出すと、すぐそこの自宅で掃除機をかけている妻の携帯を鳴らした。

「ぎ、ぎっくり腰になっちゃって。動けないんだけれど」

 大慌てで出てきた妻の前には、19年振りの引っ越しの朝にぎっくり腰になった"もってる"男、スーパースター浜本茂が倒れていたのである。

 ......というわけで、朝9時集合で始まった本の雑誌社の引っ越しは、会社史上初の社長不在の引っ越しとなったのである。いたほうがよかったのか、いないほうがよかったのかは、社員それぞれに訊いていただきたい。

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