2月12日(木)
直行で大宮にあるラジオ局「FM NACK5」のスタジオへ。休み前に突然高野秀行さんから『恋するソマリア』の発売記念で「おとこラジオ」に出演するから覗きに来ない?と誘いを受けたのだ。
すぐに三人による収録が始まり、高野さんの海外取材のこぼれ話が語られ、外で聴いている私も思わず腹を抱えて笑ってしまったり、へえそうなんだと驚いてみたり。ただ、なかなか新刊の話題が始まらず、番組の終演が迫ろうとしていた。それではここに来た意味がないではないか。早く宣伝を、本の宣伝をと叫びそうになったとき、大野勢太郎さんが『恋するソマリア』を手にし紹介が始まる。
ほっ。
「この1月に発売されたばかりの新刊、高野秀行著『恋するソマリア』集英社刊.........」
しゅ、集英社......。
そうだった......。
『恋するソマリア』は本の雑誌社の本でなく、集英社だったのだ。
私はいったいここで何をしているんだろうか。これでは本当に単なる野次馬ではないか。まあ「おとこラジオ」のリスナーだからこれほど幸せなこともないんだけれど、高野さんはどうして私を誘ったのだろうか。もしかして高野さんもどこから出版したのか忘れているのかもしれない。
番組の収録は無事終わり、高野さんとふたり京浜東北線に乗車する。しかし高野さんから何ら説明はない。それどころか突然「本の雑誌社に定年はあるの?」なんて訊いてくる。そんなことを訊かれてもこれまで誰一人として定年まで勤めた社員はいないのだからあるのかないのかわからないし、そもそも定年と思われる年齢まで会社が存続しているなんて考えたこともない。
私が首をかしげていると「もしかして従業員規則とかないの?」と笑みを浮かべて訊いてくる。従業員規則? それは天竺にあると言われているやつか。かつて勤めていた社員が探しに行ったままいまだ戻っていないという。
高野さんとは秋葉原で別れ、私は営業へ。
夜、レッズサポでもある印刷会社の営業マンKさんと浦和駅で待ち合わせ。前から行ってみたかった居酒屋「弁慶」に向かう。運良く二人分だけ席が空いており、待たずに入店。何もかもウマウマ。笑顔も最高。興奮して久しぶりに酒を飲んでしまう。
22時、Kさんと浦和駅で別れ、私はバスで帰宅することに。そのバスが揺れ、絶対に負けられない闘いが始まる。上から出て来そうなものを必死になって飲み込んでいると、こんどは下腹部でも闘いが始まってしまう。どっちか選ぶならどっちだろうか。脂汗を流しながら考える。
どうにか降車するバス停までは持ちこたえる。
しかし家は遠い。あまりに遠かった。




