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5月15日(金)

 日記を更新できなかったのには理由があって、ゴールデンウィーク明けの5月8日に保管流通のすべてを委託していた倉庫会社が倒産してしまったからだ。

 在庫である本は出版社のものだから問題ないのだが、一刻も早く新規倉庫と契約、移動させなければ出荷が止まってしまう事態において、まさに時は金なり、信頼できる仲間に相談しながら、最善の方法を探り、どうにかこの夜、引っ越し作業が始まった。

 ほとんど訪れるのことのなかった倉庫のなかで、これまで訪れなかったことを激しく後悔する。この本の山を見ずして本を作るなんて冒涜以外の何物でもない。出番を待つならいい。しかし、いちだんと短命になっていく本というものの商品価値において、在庫は出番のない役者の吹き溜まりでしかない。

 本は、読まれてこそ、本になるのだ。

 読まれる本を、作ろう。

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