1月21日(木)
津田沼のM書店を訪問。Sさんと「本(小説)は難しい」と感じて敬遠しているお客さんがいっぱいいるんじゃないかという話になる。言われてみれば、私だって18歳で突如本を読みだすまで本は難しいもんだと思い、娯楽の選択肢にはまったく入っていなかった。
では、その難しいと感じているお客さんにとって書店の棚は手を伸ばしたくなるようになっているかといえば、たいていの文芸書の売り場は、著者の五十音順で、若干のジャンル分けがあるくらい。
あるいはPOPにしてもそうだけれど、私たち(というのは常に本を読んでいる人)は本を面白いかどうかで紹介することが多い。しかし実は本をあまり読まない人は、面白いかどうかよりも自分が読める本なのかどうかを知りたいのかもしれない。
例えば私の妻はあまり酒が飲めない。飲めないけれど飲みたい夜はあるらしく、そういうときは「ほろよい」という缶酎ハイを買ってくる。これはアルコール分3%の酒で、味もぶどうやらももやらジュースのような甘いものが多く、大変飲みやすいらしい。
きっとこういう酒を毎日飲んでいるうちに肝臓は鍛えられ、どんどん強い酒が飲めるようになり、そして事務の浜田や編集の宮里のように毎日酒が飲みたくなって、酒業界は儲かるという構図になっているのだ。それは酒業界だけではない。たいていのものはまず初心者向けのエントリー商品があり、そこから順々に専門的になって、もはやそのものがなければ生きていけないというお客さんを作っていくのだ。
では本も読みやすい本を「ほろよみ」や「ビギナー」などと分類して棚を作ってみてはどうだろうか。あるいはアルコール度数のようにリーディング度数などという基準を作って表示してみてはどうだろうか。
しかしそもそも読みやすい本ってなんだろね、というところで時間切れ。