2月14日(日)
与那国島。
東崎灯台にて、野生の与那国馬に囲まれながら、この地で出版活動をしているカディブックスさんの話を伺った。
与那国に辿り着き、馬と出会い、馬の気持ちを伝えるために作った『馬語手帖』、馬とともに暮らす思いを綴った『はしっこに、馬といる』というこれまで出版した本は、「馬の人たちに届けば」という想いを越えて、多くの人の本棚に並ぶことになった。
数百部単位でオンデマンド印刷し、カバーやケースは自分たちでひとつひとつ付け、袋に入れ、島の郵便局から出荷される本は、出版という同じ活動をしているはずなのに、東京と与那国以上に離れているように思えた。
話が途切れると馬が草を食む音が聞こえてくる。それを聞きながら私は、18歳とき、大学進学をやめ、出版社で働こうと決めたときのことを思い出していた。
あのとき自分は、どんな本を作りたいと思ったのか。
必死にそれを思い出していた。